2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

世田谷線にのって

引越しでジタバタ。断捨離したつもりでも、徹しきれなかったような。半年間の仮住まいは世田谷線沿線にある。これが楽しい。で、高田渡の名曲『自転車にのって』の替え歌を。 『世田谷線にのって』 世田谷線にのって 景色をながめカフェにいこか 古書店にい…

小林兼光が四谷シモンになるまで

人形作家 (中公文庫) 作者:四谷 シモン 中央公論新社 Amazon 昔書いたのシリーズ-part3 『人形作家』四谷シモン著を読む。 妻が作者の人形教室に通っていた。そこはカルチャースクールだったので、大半はリッチなおばさんだったのだが、中には場違いな少年少…

「身・心・社会の視点」から、「共同性」から、心の病を捉え直す

統合失調症 ――精神分裂病を解く (ちくま新書) 作者:森山公夫 筑摩書房 Amazon 25年間の断捨離。マジ、大変。コードレス電動ノコギリがクセになりそう。 昔書いたのシリーズ-part2 『統合失調症-精神分裂病を解く』森山公夫を読む。 2002年、「精神分裂…

IT革命がもたらすもの。デジタル時代に、哲学の<ものの見方>は機能するか

デジタルを哲学する―時代のテンポに翻弄される“私” (PHP新書) 作者:黒崎 政男 PHP研究所 Amazon 引越し準備で忙しいので昔書いたのを。 『デジタルを哲学する 時代のテンポに翻弄される<私>』黒崎政男著を読む。 「デジタル」と「哲学」、一見すると相反す…

掌(てのひら)の大宇宙―豪華絢爛な幻想的世界をご堪能あれ

須永朝彦小説選 (ちくま文庫) 作者:須永 朝彦 筑摩書房 Amazon 『須永朝彦小説選』須永朝彦著 山尾悠子編を読む。 名前は知っていた。塚本邦雄のお弟子で歌人や文藝評論家のような人と勝手に思っていた。小説も書いていたとは。 編者に惹かれて読んでみた。…

食品のリスクに対処する消費者の自覚の欠如が、BSEパニックの一因となった

食のリスクを問いなおす ――BSEパニックの真実 (ちくま新書) 作者:池田正行 筑摩書房 Amazon 引越しに備えて断捨離中。本もさることながら、コピーを書いた印刷物や企画書も山のようにある。粗大ごみも。 昔書いたレビューが出て来たので再掲。BSEを新…

知沸き、肉躍る―レムの著作では、読了スピード記録達成

インヴィンシブル 作者:スタニスワフ・レム 国書刊行会 Amazon 『インヴィンシブル』 スタニスワフ・レム著 関口時正訳を読む。新訳が良いからなのだろう、冒頭から吸い込まれ、ぼくもインヴィンシブル号に乗船していた。 消息を絶ったコンドル号を探しにイ…

ナイン・ストーリーズ―朝倉かすみがテーマを「スカート」に選定、指名した9人の作家

朝倉かすみリクエスト! スカートのアンソロジー 作者:朝倉 かすみ,北大路 公子,佐藤 亜紀,佐原 ひかり,高山 羽根子,津原 泰水,中島 京子,藤野 可織,吉川 トリコ 光文社 Amazon 『スカートのアンソロジー 朝倉かすみリクエスト! 』を読む。こんなアンソロジー…

「人類未来論」をテーマにしたアカデミックな書であって、SFチックな予言の書としても読める。ぼくは、後者の方

宇宙・肉体・悪魔【新版】――理性的精神の敵について 作者:J・D・バナール みすず書房 Amazon 『宇宙・肉体・悪魔-理性的精神の敵について-新版』J.D.バナール著 鎮目恭夫訳を読む。 「人類は、進化して人類となって以来つねに、そして現在もまた、次の3種…

国産みならぬ星産み。宇宙の生誕から滅亡まで描く物語

スターメイカー 作者:オラフ ステープルドン 国書刊行会 Amazon 『スターメイカー』オラフ・ステープルドン著 浜口 稔訳を読了。 ある夜、「ヒースの丘に腰を下ろして」いた主人公は、幽体離脱が起こり、宇宙を旅することとなる。 「本書の目的はわたしの冒…

地球消滅と人類滅亡までの、20億年に渡る18期の人類の興亡史を描いた(作品)。ふう~

最後にして最初の人類 作者:オラフ ステープルドン 国書刊行会 Amazon 一部でウワサのオラフ・ステープルドンの『最後にして最初の人類』が、なかなか前へ進まなかったが、ようやっと読了。 哲学者の書いたSF小説、とでもいえばいいのか。進まないけど、おも…

映画『マタンゴ』の原作『夜の声』などクラシカルな海洋怪奇小説短篇集

夜の声 (創元推理文庫) 作者:W・H・ホジスン 東京創元社 Amazon 『夜の声』W・H・ホジスン著 井辻朱美訳を読む。 船員体験をもとに小説を書いたというとメルヴィルがパイセンだが、作風はホジスンの方が怪奇によりフォーカスしているような気がする。単純に…

ガヴァネスはつらいよ。ガヴァネスも、か

ガヴァネス―ヴィクトリア時代の〈余った女〉たち 作者:川本 静子 みすず書房 Amazon 『ガヴァネス-ヴィクトリア時代の<余った女>たち-』川本静子著を読む。 『我は、おばさん』岡田育著に取り上げられていた本。 ヴィクトリア時代、19世紀の英国では「成…