少し湿った場所

少し湿った場所

少し湿った場所

『少し湿った場所』稲葉真弓著を読む。
最後の本。エッセイ集。
どれも短い量なのだが、そのピースを合わせて行くと、
作者の人生が見えてくる。

○老いた猫との暮らしぶりを書いたエッセイは、
大島弓子の『グーグーだって猫である』を思わせる。
特に下の世話。うちの猫もそうなりつつあるから。

○作家になるために離婚したのか。
離婚したから、食っていくために作家になったのか。
まあ、同時進行だと思うが、
仕事を拒まず、原稿を量産したことが、
結果、作家、詩人になれた。

○知り合いの編集者から依頼され、「覆面作家」で書いた
くりいむレモン』のアニメのノベライズ。
「少なくない印税」を稼いで、
「書きたいもの」に出会う。それが『エンドレス・ワルツ』。

○作者は『二十歳の原点高野悦子と同学年とか。
ロック、ジャズ、タバコ、アルコール。
サブカル、サヨクシンパ。熱い青春。

○生家は木曽川河口の低地にあり、代々の女系家族
言語学者の父親など、小説になりそうなネタがいろいろ。
もう少し長く元気で生きていたなら、
家族をテーマにした作品が読めたろう。

時間がない中、いい企画書、いいデザインがあがる。

人気ブログランキング