週末、ドビュッシー

哲学のアクチュアリティ―― 初期論集 (始まりの本)

哲学のアクチュアリティ―― 初期論集 (始まりの本)

昨日午後イチ、プレゼンテーション、終わる。
夜の部を、粛々とこなして帰宅。
風呂、飯、酒。
なだれ込むように就寝。

『哲学のアクチュアリティ』テオドール・W・アドルノ著を読んだ。
ベンヤミンの弟子筋に当たる著者の哲学に関する講演再録と短い論考2本と
音楽に関するアフォリスム
からなる本。
ベンヤミンは『パサジーュ論』を飛ばし読みした程度。
アドルノが自分なりの解釈を試みたという『ドイツ悲劇の根源』をそのうち読まないと。
音楽アフォリスムが、なぜか、しみた。
アドルノは哲学者であり、一方音楽家でもあった。
だから、音楽は実作者の観点から書かれていて、
断片の散らばり方や視点の柔らかさにぐっときた。
引用一か所。

 

ドビュッシーは、始まり方さえ不確かなのにこんにち音楽はどのようにして終わることができるのかという問いに、記憶すべき独自な仕方で答えを与えた。すなわち、彼は想像のうえで音楽を絶え間のない響きとして前提し、その音響領域に突如とした立ち入り、同じく唐突に音楽を置き去りにして立ち去り、まるでその音楽がまだ続いているかのような幻想を私たちに与えるのである―音楽の実際の終わりが到達不可能なものであるがゆえに、私たちが一枚の絵の前から立ち去るとその絵が終わるのとちょうど同じぐあいに、彼の音楽は終わるのだ。彼の音楽は炎がそっと消えるように消え去る―このことによって、外部の物事に対する彼の関係が示唆的に
表わされているのかもしれない」

 


Sound of Silence。
ベンヤミンぽくね。
ドビュッシーのCD、聴いてみよう。

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