- 作者: 金井美恵子
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2016/04/18
- メディア: 単行本
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『新・目白雑録 もっと、小さいこと』金井美恵子著を読む。
NHKのアナウンサーでことばおじさんがいたが、
ぼくにとって金井美恵子は、ことばおばさん。
このエッセイはシリーズとなっていて、
その時の出来事が書かれている。
愛猫の死や眼の手術を受けた時は、
いつになく毒が薄まっていた。
それからセリエAに入れあげたり。
枕としては最近使われるようになった
「編集さん」「作家さん」という「さん」付について。
広告会社にいたとき、
「八百屋」「魚屋」は、差別用語だからダメ。
かといって「青果業」「鮮魚業」じゃな。
「さん」付にすればいいということを聞いて、ほおと思った。
あ、裏は取れていないから。
その違和感や「さん」付が浸透したその背景にあるものを探る。
プロのアマ化、アマのプロ化というか。
玄人の素人化、素人の玄人化というのか。
水商売に限らず、いろんな分野がボーダーレスになった。
良い意味でも、悪い意味でも。
次は『砂の器』とクラシック音楽の関係から、
佐村河内のことまで。
本、町の書店のこと、東京オリンピックの騒動などなど。
この本は、毒よりもロジックが力強く展開されている。
あとがきで「国策グラフィック雑誌『フロント』」について
書きたいと。これは、楽しみが続くのだ。