ウェブ幼年期の終わり

成熟期のウェブ戦略―新たなる成長と競争のルール

成熟期のウェブ戦略―新たなる成長と競争のルール

『成熟期のウェブ戦略』野尻哲也著を読む。

いまどきの企業の「ウェブ戦略」について
かなりわかりやすく書かれている
のだが、ぼく的には本筋に関係ないところで収穫があった。

「高級ブランドも携帯ゲームも本質は同じ“心と時間のスキマを
埋めるためのもの”、今は使えるお金が少なくなっただけ。
現実社会では経済的余裕がなくとも、ウェブの世界では小額のお金で
金持ち気分を味わえる」

ヴィトンのバッグと「ソーシャルゲームやアバター」は、
価格は違えど等価であると。糸井重里の「おいしい生活」か。

「人は基本的に自分に似た人間と身近になろうとします」

同じニオイ、同好の士とか。

「ウェブを通じた人と人のつながり、とりわけSNSの急激な普及は、
こういった人々の自己肯定感への欲求に深く根ざしているように
考えます。ウェブの革新的な仕組みによって、私たちは学校や社会と
いった物理的な縛りにとらわれることなく、「自分と似た人間と
ダイレクトに出会うことができる」世界が実現しました」

だとしたら、mixi疲れTwitter疲れは、どうなんだろう。
学校や会社に自分の居場所はないが、オンラインならある。
オンラインの出会いは認めるが、過度の期待はねえ。
なんだかんだ言って、金のかからない暇つぶしに過ぎないような。
(仕事もしないでネットサーフィン−古ッ!!−している自分のこと)

大衆から小衆、分衆へ。無数の島宇宙化。
企業にとってはメガヒットが出にくい状況。
成熟した、要するに目の肥えたひねた消費者には、
いいことしか言わない(言えない)マス広告が利かない。刺さらない。

クチコミ、バズコミュニケーション、
ええと空気づくりも成功すれば、鼻高々だが、
それは一種の後だしジャンケンだし。



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