- 作者: 中川淳一郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/05/13
- メディア: 単行本（ソフトカバー）
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『凡人のための仕事プレイ事始め』中川淳一郎著を読む。
『ウェブはバカと暇人のもの』の著者が書く仕事論。
こりゃ楽しみとページをめくる。
著者は新卒で大手広告代理店のPR部に配属となる。
さまざまなカルチャーショックと不条理をものともせず
仕事に対する経験知をあげていく。
そこでつかんだ仕事の本質を、いつものように刃に衣着せず書いていく。
こんな按配。
「人が仕事をする理由−それはカネを稼ぐためである。
カネを稼ぐためには誰かから怒られてはいけない。
仕事とは「どうでもいいオッサンを出世させるため」に
やることは多いが、それに勝る素晴らしさを持っている」
仕事でトラブルがあった場合、当事者は、上司から尋問される。
それは責任ではなくトラブルを丸くおさめるための
良い言い訳の素材探しのようなものだと書いてあるが、これはよくわかる。
クライアントの担当者が納得しそうなネタを加工して
あとはお詫びや値引きなど、あるいは夜の接待などでチャンチャンと…。
著者にならえば、フリーライターなら文才よりも
ムリなスケジュール、ムリな金額にも快く応じ、
納期を遵守して、ムリな修正にも迅速に応じて、
そこそこの原稿をあげれば、長く仕事をもらえるかも。
ビッグになる!一旗あげて故郷に錦を飾る!など
イチかバチか的、またいわゆるギョーカイ人風勘違いスタイルは
当然「凡人」とは相容れないわけで。
せっかく入った広告代理店だが、自身の将来を見通して
あっさり辞めてしまう。
いまはITやクラウドとかいわれているが、仕事は本来
「泥臭く、人間臭く、そして素晴らしい。
だが、時にくだらないこともあり過ぎる」
もの。
相田みつを風なら「人間だもの」か。
ぼくが勤めていた広告会社にいた人は、電車の網棚に捨てられてあった
新聞を拾って求人欄で募集を知って、応募、転職したそうな。
なんかそれぐらいでいいんじゃないだろうか、職探しは。
というと、ふざけるなとお叱りを受けるかもしれないが。
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