「不思議大好き」

 

死者の民主主義

死者の民主主義

 

 

『死者の民主主義』畑中章宏著を読む。
タイトルを見ると、いまは圧倒的に生者の民主主義。
フーコーいうところの「生‐政治学(ビオ・ポ リチック)」。
だけど、そろそろ生きる権利ばっかじゃなくて死ぬ権利も
見直そう的本かなと思った。
 
あとは死は金持ちにも貧乏人にも平等にやって来るってことかなと。
ちょっとだけ当たり!だった。
 
ITが発達してもゾンビなどのホラー小説や映画は人気だし。
占いやパワースポットやパワーストーンなどは女性に根強い人気だし。
 
糸井重里の「不思議大好き」は、予言と言っていいキャッチコピーだと思う。
その亜流で「不気味大好き」「不死身大好き」がある。
いつブログで書いたか忘れたが。
 
「死者や精霊や妖怪、あるいはそのほかの人間ならざるもの」に
光を当てたコラム集。
 
作者は渋谷でコスプレ祭となったハロウィンを実際にフィールドワークする。
あるいは3.11で生まれた怪談、都市伝説。
動かなくなったペットロボット・アイボの葬儀などなど盛りだくさん。

その背景にあるものを民俗学で読み解く。
柔らかなさばき方が、新しい見方を示唆してくれる。
 
ハロウィンと日本の盆踊りは死者への弔い、祭り、祀りで
共通しているのか。
昔、働いていたデザイン会社の社長の自宅が高円寺にあって、
阿波踊りの時期におよばれを受けた。
高円寺で阿波踊りって?いぶかしがったが。
全国に拡がるよさこいソーラン系の祭もある。
最近では新宿三井ビルのど自慢大会の半端ない盛り上がり。
これも括ってしまおう。
 
死者とフェスタ感。
QOL=Quality of life(クオリティ ・オブ・ ライフ)から
QODL=Quality of Death life(クオリティ・ オブ・デス・ ライフ)へ。
 
意外だったのは柳田国男が写真下手だったこと。
考現学創始者今和次郎」の弟・今純三のことも知らなかった。
純三は「資生堂の意匠部」に勤務していたが、
故郷青森に戻って版画の普及に貢献したそうな。
教え子に棟方志功がいたとは。
そこから同じ青森出身でナンシー関につながると。

本書とは直接関係してはいないけど、
「生‐政治学(ビオ・ポ リチック)」というタームはますます重要になっているなあ。
参考までに。『性の歴史』三部作 ミシェル・フーコー著に関するノート

soneakira.hatenablog.com