「顔が濡れると力が出ない」

大昔、風呂に入りながらラジオを聴いていたらゲストがやなせたかしだった。
アンパンマン」誕生秘話みたいな話。はじめは子ども向けの絵本は乗り気でなかったという。
 
やなせ曰く「少年・少女漫画のトレンドは6年、幼児向けは1年」という。しかし、「アンパンマン」は、子どもたちからの支持を得て、大ロングセラーとなる。勧善懲悪ものがいいのか、キャラがかわいいのか。
 
子どもが、かかりつけの小児科だったか保育園だったか忘れたが、いっとう最初の『あんぱんまん』(最初はひらがなだった)の絵本を読んだことを思い出した。
 
絵が全然違っていて、アンリ・ルソーマグリットのようなヨーロッパ幻想絵画の色調。
 
お腹を空かせた人のために、あんぱんでできた頭部を差し出すのだが、いわば臓器を提供するようなもので、とても重たく暗い内容だった。
 
ラジオでは「アンパンマンのマーチ」の歌詞の深さを尋ねていた。こんな歌詞を子どもが歌うとはいいことだ。まんま引用。
 
作詞:やなせたかし 作曲:三木たかし 編曲:大谷和夫
 
そうだ うれしいんだ
生きる よろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも
 
なんのために 生まれて
なにをして 生きるのか
こたえられないなんて
そんなのは いやだ!
今を生きる ことで
熱い こころ 燃える
だから 君は いくんだ
ほほえんで
そうだ うれしいんだ
生きる よろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも
やさしい 君は
いけ! みんなの夢 まもるため
 
なにが君の しあわせ
なにをして よろこぶ
わからないまま おわる
そんなのは いやだ!
忘れないで 夢を
こぼさないで 涙
だから 君は とぶんだ
どこまでも
そうだ おそれないで
みんなのために
愛と 勇気だけが ともだちさ
やさしい 君は
いけ! みんなの夢 まもるため
 
時は はやく すぎる
光る星は 消える
だから 君は いくんだ
ほほえんで
そうだ うれしいんだ
生きる よろこび
たとえ どんな敵が あいてでも
やさしい 君は
いけ! みんなの夢 まもるため     」
 
 
政治家や経営者にも歌わせたいものだ。
 
子どもが最初に覚えたのは「アンパンマンは君さ」って歌。「アンパンマンたいそう」だった。