『戦後日本のジャズ文化』マイク・モラスキー著を読む。
「映画・文学・アングラ」そしてジャズ喫茶についての考察。肯けたり、肯けなかったり。
初ジャズ喫茶は高校時代、友人に連れられて入った。エレピを弾き出したチック・コリアの新譜をリクエストしたら「チック・コリア、やめっぺ」と拒否された。
五木寛之の『さらばモスクワ愚連隊』が取り上げられている。大昔、読んだときは、しびれた。作者によれば、五木はモダンジャズに詳しいわけではなかった。なのに、ジャズの持つ魅力がうまく表現されていると。柳生弦一郎による表紙のイラストレーションがひたすらカッコよかった。カン違い。『青年は荒野をめざす』の方だった。
ジョン・コルトレーンはそれこそネ申だった。大学時代、穴倉のような池袋西口にあるジャズ喫茶に通っては、古書店でまとめ買いした新書などを、ひたすら読んでコーヒー1杯で夜からの授業まで時間を潰していた。
『暗い旅』倉橋由美子著を読むのも、ある意味、ファッションだった。オーネット・コールマンの『フリー・ジャズ』を知ったのも、この本(確か)。ジャクソン・ポロックのペインティングが採用された二つ折りカバーのLP。ヘッドフォンで聴くと、左右からカルテットの即興演奏が。すごい面子。
「左チャンネル
オーネット・コールマン - アルト・サックス
ドン・チェリー - ポケット・トランペット
スコット・ラファロ - ベース
ビリー・ヒギンズ - ドラム
右チャンネル
エリック・ドルフィー - バスクラリネット
フレディ・ハバード - トランペット
チャーリー・ヘイデン - ベース
エド・ブラックウェル - ドラム」
一回こっきり、二度はできない即興演奏が、何度でも聴ける。
オーネット・コールマンの『フリー・ジャズ』
Ornette Coleman - Free Jazz (1961) (Full Album)