というわけでやっと志ん朝の『三枚起請(きしょう)』のCDを聴くことができた。
口座でよかったよ、志ん朝。んなわけ、ない。
クドカン脚本のTVドラマ『タイガー&ドラゴン』の一話の元ネタなんだけど、
通しで聴くと、よくできてるというのか、あからさまな換骨奪胎ぶりというのか。
ネタ割りはしたくないけど、ちよっと参考までに。
今も昔も好きな女性には心変わりしてほしくないもので、
男は単細胞だから、惚れた女の名前を刺青にした。
ま、一生もんには違いないが、それじゃあ、あんまりっていうんで、
かわりに愛の誓いを文に認め送る、それが起請。
本来、そんなものは一枚のはずなんだけど、
次々と同じ文面の起請を持った男同士が出くわす。
しばらくして、その女のもとへ、インチキをいさめに行くが、
そこは手練手管の女、しれーとして、言い訳で逃げようとする。
馬鹿な男たちを巧みに演じていて、
勝手に俺は色男だなんてのぼせあがったりする。
じわじわおかしさがこみあげてくる。
こんな経験を少なからず、男はしているはず。
知り合いもキャバクラあたりのオネエちゃんから
出勤日にマルのついた名刺をもらって鼻の下をのばしていた。
ぼくもペエペエの頃、バニーガールのオネイサンの店に
連れていってもらって(クライアント接待のおとも)、
オネイサンは、タバコをくわえると胸の谷間から100円ライターを
取り出し火をつけてくれるのだが、ぼくはタバコはやらなかった。
なじかは知らねど、一人のオネイサンと漫画の話、
西岸良平の話で盛り上がった。前後はすっかり失念してるが、
西岸良平の好きなバニーガールのオネイサンは珍しいなと、
もやもやした気分になった。
ちょっと比較。
落語『三枚起請』 TVドラマ『タイガー&ドラゴン』
惚れた女 品川にいた女(たぶん遊郭) 新宿以下転々としている女(キャバクラ)
女性の外見 色白で小太り 長身のナイスプロポーションで美形
彫り物 刺青 タトゥ
盛り場 品川、吉原 歌舞伎町、裏原宿
主人公 町人 落語家めざすチンピラ
古典もふっとホコリをはらえば、こんな斬新なものになる。