発酵を知らない。なんて薄幸な人だ

 

発酵文化人類学 微生物から見た社会のカタチ

発酵文化人類学 微生物から見た社会のカタチ

 

 

先日、トライアルした某社の仕事が本決まりになった。
まずは、資料集めにかかる。

 

『発酵文化人類学』小倉ヒラク著を読む。

 

知ったのはTBSラジオの『たまむすび』。
そこにゲストで来ていて発酵について熱く語っていた。

 

著者は異なる大学で文化人類学と発酵学を学んだ。
で、デザイナーでもある。
そのユニークともいえる経歴がとてつもなく面白い本を書かせた。

 

発酵への興味の扉を開いたのが
ぼくが尊敬する同県人・東京農大小泉武夫先生とは。

なんでもハードワークで心身ともに弱っていた、著者。
先生が発酵食品を摂れと。
「味噌や納豆、漬物を食えと」。で、元気になったと。

 

「そもそも発酵とは…
人間に有用な微生物が働いている過程
反対に腐敗とは…
人間に有害な微生物が働いている過程」

 

と定義している。

国内、国外でその土地土地の風土に根ざした発酵や醸造を体験する。
食べる、飲む、現場を見る。
話を聞く。

 

著者は謙遜しているが
発酵や醸造の文化史と発酵学に基づく分析など
一冊で二度おいしい仕立てとなっている。

 

日本のワインメーカーや酒造メーカーも代変わりして
がんばって良いものをつくろうとしている。

 

そこでなるほどと思ったのが、
かつては「仕事は(技や腕を)盗んで覚えるもの」だった。
酒なら蔵で無言で黙々とこなす。
ところが、ある酒造メーカーでは、
キャリアに関係なく意見を交わすそうだ。
忌憚なく話すことで
新人はスキルを、ベテランは予想もしなかった気づきを得られるそうだ。
結果、魅力的な酒ができるようになったと。

 

これこそ暗黙知をすくいあげる
ナレッジマネージメントの神髄ではあ~りませんか。

 

著者がキュレーターとなったイベントが行われている。
無料だし、行かないと。


2019年春、知られざる47都道府県のローカル発酵食品が渋谷ヒカリエに集結!
『Fermentation Tourism Nippon』開催中!
https://roppongi.keizai.biz/release/4660/

 

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