霊的森ガール

英子の森

英子の森

血圧が高いと思ったら気温が高かった。
ま、血圧も決して低くはないけど。
シャツ1枚で快適な季節。
副業の合間の本業って。
逆じゃね。

『英子の森』松田青子著を読む。
前作『スタッキング可能』は、ポップでセンスのある笑いを
感じさせてくれたが、この本は、表題作が中篇(長篇じゃないよな)で、
あとは、短いコント、お笑いじゃなくて、が数本。
『英子の森』は、なんたって森の比喩が秀逸。
自我からエスまで含めた自己領域を森に例える。
出て来る人物は、森を持っているが、当然形態は異なる。
ネットオタッキーな人には、島宇宙とかタコツボと同義。と言った方が伝わるかな。
でもさ、英子のタコツボじゃ、おしゃれじゃないし。
霊的森ガール。でも、オカルトじゃねえし。

有楽町の国際フォーラムや屋台村が出て来る。
あそこは、気持ちの良い空間で夕方、打ち合わせが終わってから
ビールをごちそうになったことがある。
黒のスーツ、ひっつめ髪、重たいバッグと紙袋、
手にはお守り代わりのスマホという
就活ルックの女の子を見ると、励ましたくなるが、
そんな女子が主人公。
今の時代の生きにくさ、閉塞感を不条理なファンタジーでまぶした創作文芸。
アンチリアリズム、かーらーのー、リアリズム。
映像が浮かぶ文章。
「お口に合いましたでしょうか」
「はい、とっても」
ま、英語の森って言ってもいいけどね、ネタバレかも。

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