- 作者: 小林信彦
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/01/09
- メディア: 単行本
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寝かせて置いた原稿を見直して今日中に送らなきゃ。
で、次のは、音声データの文字起こしを週末作業で。
売れているんですか。ま、まさか(Y.M.O.の『U.T.』のまさかの感じで)。
と、書いたところで雷鳴。豪雨。
いつものように東京アメッシュを見る。
さっき、買い物にでて空を見たらどう見ても、もこもこ積乱雲で
夏かよってつっこんだら、そうだった。
天気予報、今日ははずれのようで。
『私の東京地図』小林信彦著を読む。
東京について書いた4冊目か。
「下町の和菓子屋の十代目をつぐべき人間が、山の手に移り住み、
原稿を書いて(売って)暮らす、という苦い人生を歩むことになった」
前書きの、この一文で、ファンなら言い得て妙だとうなってしまうだろう。
スカイツリーとヒカリエができた頃までの話。
盛り場を歩いてその変遷ぶりをつぶやいている。
街の景観は変わっても道路が変わらなければ、
面影は少しはとどめているようで、なるほどと思った。
たとえば、新宿。
六本木ヒルズ界隈は、道路どころか地形まで変えちゃった。
人間で言うところの整形手術。
毎日のように通る渋谷も、いま、施術中で
痛々しい包帯姿。つーか、ミイラ男状態。
「私は本当に東京を知らないし、積極的に知りたいとも思わない」
だって。まさか。特に下町には近親憎悪、
好きだけど嫌い感が強いらしくて、
ようやく深川を訪ねたことをこの本で知る。
「東京はまだ<普請中>」
完成することはないだろう。
スクラップ&ビルド、建てちゃ、壊し。その繰り返し。
田舎から出て来た頃、なぜ東京では新しいビルや家を壊すのか。
勿体ないと思った。
関東大震災後、後藤新平が先見性の高い帝都グランドデザインを
手がけたが、その後はどうだろう。
安普請か。
装幀の手書き文字が、佐野繁二郎っぽい。
大瀧詠一の近年のライフワークの一つが、日本映画のロケ地検証だったそうだ。
主に、東京。
川本三郎にインスパイアされて丹念に東京の街をあちこち歩いては、
画像におさめていたそうだ。膨大なデータがアーカイブであるとか。
雑誌『Coyote』の片岡義男の大瀧詠一追悼文に、
対談本が刊行予定だったことを知る。
なら、いっそのこと、小林信彦―大瀧詠一―片岡義男で
『新ナイアガラトライアングル―ぼくたちの東京地図』
とでも銘打って。
かなわぬ夢だけど。読みたいなあ。