- 作者: 福田章二
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1970/05
- メディア: 単行本
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『喪失』福田章二著を読む。
庄司薫の処女作。
大昔に読んだが、すっかり忘れていた。
あとがきの
「十九歳、二十歳、二十一歳の夫々の春休みを中心に書かれた三つの作品」というとこは
覚えていた。
いまとなってはクラシックな文学の枠組みとキャラクター。
劇画のような、ヴィスコンティの映画のような…。
ナイフのように鋭い若者の感性。
ひとも傷つけるが、同時に自分自身も傷つけてしまう。
10年沈黙して作者は、薫くんシリーズの文体をものする。
『喪失』が再文庫化されないのは、作者が封印したからなのだろうか。
薫くんシリーズは、予想外に新しかったが、
『喪失』は、渋い感じ。
若者が意外と保守つーか渋好みは、ままあることだけど。
妻の友人がさくらんぼを送ってきた。
嫁ぎ先で栽培しているとか。
今年は天候が不順でできは、イマイチ、イマサンだそうだ。
日持ちしないんで、むしゃむしゃほおばる。
あたりは、いつものように甘く。
そうでなくても、酸味の中にうっすらと甘みがある。
台風のせいで、雨が時折激しく降る。
出かけたくないけど、出かけなくちゃ。