- 作者: 瀬名秀明
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2008/12/12
- メディア: 単行本
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『ロボット学論集』瀬名秀明著の読書メモ-1。
だらだらと。
「私たちはロボットを通して自分自身を知るのである。
ロボットは<私>というものを私たちの内面から掘り起こし、
顕在化させるという希有な特徴を持っているのだ」
自分は、自分で見ることができない。よって他者を投影させて、他者経由で
見えてきた自分を自分だと認識する。
さまざまな関係性で、さまざまな自分像というものが浮かび上がってくる。
ラカンいうところの鏡像、ぶっちゃけ、ガマの油状態とでもいえばいいのか。
いままでは、人は、人(他者)を対象にすればよかったが、
ロボットというものが現れた。
そこから、新たな自分、人間像が見えてくる。
有名なアシモフのロボット工学の三原則があるが、
「なぜロボットは人間に危害を加えてはならないのか」
などは、もろ倫理学の永遠の課題であるわけで。
もっとうがった見方をすれば、支配−被支配で、
金持ち−奴隷が、ブルジョア−プロレタリアアートになって
人間−ロボット、
あるいは経営者−非正規社員(外国人含む)、ロボット(産業用ロボット)という
図式も見えてくる。
『鉄腕アトム』などにもロボットの反乱が出てくるが、
それは永遠に人間に搾取され続ける運命を呪う。
学習能力がバージョンアップすれば、そうなるのだろうか。
ヒューリスティクス・アルゴリズムとでもいえばいいのか。
さだかじゃないけど。
「人間の脳にはテンプレートを見抜く能力があって、
身のまわりの出来事をテンプレートと照らし合わせながら観察している」
「人工知能に予測をさせることは難しい−略−
一方でぼくたちは知らず知らずのうちに
自動化し、半ばロボットとして生きているわけです」
習慣化、規範ってことか。ワンパターンでいいとこはワンパターンで。