働けど

ニッケル・アンド・ダイムド -アメリカ下流社会の現実

ニッケル・アンド・ダイムド -アメリカ下流社会の現実

昨日洗濯機が届く前に行った移動が響いたのか、
腰痛となる。湿布を貼ってもらい、朝イチの打ち合わせで恵比寿まで。
担当の女性は風邪を引いたとかでマスク。
ある程度、煮詰まってきたので原稿書きにかからねば。
にしても暑いぜ。ネコは朝から自分のベッドでぐったりー寝。
半ズボンになったら、あらE気持(by沖田浩之)。


『ニッケル・アンド・ダイムド』バーバラ・エーレンライク著、読了。
ウェイトレス、掃除婦、スーパーの店員になった体験談も
現実や貧困層の実態を考えさせられたが、中でも終章が素晴らしく、何箇所か引用。


「まず最初に私が知ったのは、どんな仕事も、どれほど単純に見える仕事でも、
ほんとうに「単純」ではないということだった」

誰もができる仕事というが、会社が異なれば、違うことに面食らう。
アルバイトだけではないが。

「ショッキングなのは、アメリカの労働者の過半数、およそ60パーセントに
当たる人たちが、時給14ドルより低い賃金で働いていることだ。
その多くが、配偶者や成長した子供など、別の働き手と協力して
なんとか暮らしている」

健康で働けるうちはいいけれど、アメリカにゃ、
国民皆保険制度がないんだもの、おちおち、病気にもなれないし、
ふところ具合を考えれば、
完治する前に通院をやめてしまうのも仕方ないのか。

「なぜ富裕層は「現実が見えなく」なってしまったのか、その理由として、
富裕層が貧困層と場所やサービスを共有する機会がどんどん減ってきている
という事実があげられている」

具体例として、学校、居住地域などを作者はあげている。

「危機的状況が広まっていることを訴えようとする人間がなぜ一人も出ないのだろう。
−略−新聞を読む「専門職の中産階級」に属するアメリカ人が、貧困は失業の結果
生まれるものだという考えに慣れてしまっていることがあげられるかもしれない」

「貧困は失業の結果」と単純にいえるうちは、まだよかったかもしれない。
複合貧困、負のスパイラルの根は深いはず。

「「働く貧困層(ワーキング・プア)」と呼ばれる彼らはまた、私たちの社会の大いなる
博愛主義者たちともいえる。他人の子供の世話をするために、自分の子供の世話は
おろそかにする。自分は標準以下の家に住んで、人さまの家を完璧に磨き上げる。
−略−働く貧困層の一員であることは、自分以外のすべての人に
名も告げずに施し物をする、匿名のドナーだということだ」

要するにタダみたいな時給で奉仕していると。
その痛みなどわかりもしない。


人気blogランキングへ