『シン・ウルトラQ』がつくられるなら、原作にしたい4つの短篇集

 

 

『わたしたちの怪獣』久永実木彦著を読む。SFとかファンタジーとか、なんだろうが、なぜか、懐かしさも感じる。NHKBSで4Kリマスター版『ウルトラQ』や『ウルトラ7』を見ていたが、世界がリンクしている気がする。特に前者の方。こんな話。

 

『わたしたちの怪獣』
わたしが帰宅すると妹のあゆむが父を殺していた。父は会社をクビになって転職もうまくいかず、ストレスがたまり、おとなしい妹に八つ当たり、DVをしていた。母はさっさと家を出た。そのとき、東京湾に怪獣が現れる。ネットで白腸(しろわた)と呼ばれる。
東京に上陸。自衛隊の攻撃も、その威力をエネルギーに変換してしまい、刃が立たない。というお約束。でも、ウルトラマンなどは出てこない。どさくさ紛れに父の死体を怪獣が暴れた場所に遺棄すれば、怪しまれない。そう思って死体を父のクルマのトランクにようやっとのせて都内へ。わたしの元へ迫る怪獣。すると、死んだはずの父が行動を起こす。その意味するものは。DVパパのメタファーつーか化身が怪獣なのかも。


『ぴぴぴ・ぴっぴぴ』
椎名の職業はタイムトラベラー。過去に遡り、災害などを阻止して人々の暮らしを守るという。にしては、なんかお粗末なのだ、彼の所属する組織・時間局のオフィスや彼の服装が。『タイムスクープハンター』の要潤みたいにカッコよくない。 あ、「非正規の有期雇用」だからか。彼は命をはって原子力発電所メルトダウンを防いだのだが。被爆はしなかったのだろうか。


『夜の安らぎ』 
検体ケースの中の血液に美しさを覚えたわたしは、それを盗む。クラスメイトとは波長が合わず、また、わたしの顔色が悪いので「吸血鬼」というあだ名をつけられている。
再び病院に忍び込んで血を盗もうとしたら、そこにいた男。見た目で吸血鬼だと思った。否定する彼は小説を書いていた。彼に自分も吸血鬼になりたいと懇願する。実は、彼は「半分だけ吸血鬼」。そこに本物の吸血鬼が参上する。

 

『『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら』
板橋にあるミニシアター「一文」では、Z級映画(B級以下の最低の映画)『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を上映している。実は、今日で閉館となっていた。偶然、やってきたぼく。上映中、大きな揺れに襲われる。傷の手当てを受けるぼく。館内にいた客やスタッフは、気分を落ち着かせようと映画談義を始める。Jアラートがけたたましくスマートフォンから鳴り響く。ニュース映像を見ようとしたら、えっ!池袋でゾンビたちが暴れている。映画じゃなくて。マジ?

 

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