新米保育士・田村竜太奮戦記

みんな一緒にバギーに乗って

『みんな一緒にバギーに乗って』川端裕人を読む。

 

新米保育士・田村竜太奮戦記。保育園を舞台に、センパイの保育士、同僚のイケメン要領のいい保育士やそこに通っているさまざまな個性の子どもたちといまどきの親たちなど、日々の交流がリアリスティックに記されている。

 

主人公はドジでノロマな亀タイプ(by「スチュワーデス物語」)で、失敗しながらも、ゆるゆると職業意識が芽生えていく。保育園の民営化など社会的なテーマにもふれていて、このあたりは作者の独壇場。

 

読んでいて、懐かしい気分にさせられた。うちの子どもも区立の保育園にお世話になった。後半の送り迎えは、会社勤めを辞めて家で仕事をするようになったぼくがしてた。
月曜日の朝のお昼寝用のふとんカバー替えなども。あ、言っとくけど、イクメンなんて気はさらさらなかった。子だくさんの痩せこけたお父さんがいた。カバー替えなども実に手際が良かった。さすが。

 

保育園はいろんな職業、家庭環境の子どもがいて、それはそれでおもしろかった。
キャビンアテンダント、看護士、カメラマン、スーパー店員、ヘアデザイナー、
寿司屋の大将、小学校教師などなど思いつくままに。

 

男の先生は年長組のときだけだった。とてもやさしいベテランの先生で、子どもが外科手術でしばらく入院しているとき、わざわざ女の先生とお見舞いに来ていただいた。

 

年少組というのか、いちばん小さい組の子たちは、ほとんど赤ちゃんでかわいかった。

子どもが小学校に入って最初の運動会で体格差に唖然としたが、保育園のほうが、その差は大きい。

 

一時期、ぼくも将来の職業は、保育士さんもいいかなと思ったけど、即座に撤回した。
だって、エコヒイキしてしまうもの。キライなのは、老若男女の別を問わず、ダメだから。向いていない。保育士とか先生ってほんとエライと思う。

 

天気の良い午前中、バギーに乗った保育園児たちを見かけることがある。気持がほっこりしてくる。

 

子どもの声がうるさいからと公園を閉鎖してしまうなんて悪政もいいとこ。そんなんだから非婚・少子化が進むんだ。

 

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