『創発  蟻・脳・都市・ソフトウェアの自己組織化ネットワーク』メモメモ

 

 

オリンピック。スケボー少女たちのかわいらしさにモエる。


創発―蟻・脳・都市・ソフトウェアの自己組織化ネットワーク』スティーブン・ジョンソン著  山形浩生訳を読む。
ネットで調べてみたら、表題の意味が出ていた。
簡潔にうまくまとめられているんで、これでほぼOKっす。

 

創発 emergence

局所的な相互作用を持つ、もしくは自律的な要素が多数集まることによって、
その総和とは質的に異なる高度で複雑な秩序やシステムが生じる現象のこと。
所与の条件からの予測や意図、計画を超えた構造変化や創造が誘発されると
いう意味で「創発」と呼ばれる。
 もともとは生物学や物理学(複雑系)、社会学などで使われている言葉で、
「物質の凍結(相転移現象)」「アリが巣を作る(群知能)」「細胞の集まりが
生物であること(生命現象)」「新種生物の突然の発生(進化論)」
「市場におけるバブルの発生(経済学)」のような“要素に還元できない現象”のことをいう。ナレッジマネジメントの分野では、個人1人1人の発想の総和を超えた、
まったく新しいナレッジの創造を行う手段として、
「情報創発」への取り組みが行われている。」

 

IT情報マネジメント用語事典より

以下引用と感想。


「(これまで)の発想は粘菌たちが、他の細胞に集結を命じる『ペースメーカー細胞』の命令にしたがっているというもの」。ところが、「粘菌細胞はペースメーカー細胞なんかいなくとも、自分で組織化していたこと」が立証された。

 

トップダウン」ではなく「ボトムアップ」。すなわち、「複雑な適応システムで創発行動を示している」と。アリ然り、都市住民しかり、ソフトウェア然り。

 

「低次のルールから高次の洗練へと向かう動きこそが、創発と呼ばれるものだ」

プロ野球のオーナーは、きわめて低次のトップダウンでヤんなっちゃう。矛盾したいいまわしだけど。

 

「アリの世代は現われては消えるが、コロニー自体は成熟し、もっと安定し、もっと組織的になる」細胞だってそうだと。「近隣から学ぶことで、もっと複雑な構造に自己組織化する」これにより、「マウスになったり、回虫になったり、人間になったりするときに重要な役割を果たす」

 

「イタリアの神経科学者ジアコモ・リツォラッティは、他人の心の理論にとって中心的となるかもしれない脳の部位を発見した」

「リツォラッティの発見は心を読むモジュールもあるかもしれないと示唆している」

「モジュール理論はまた、その配線が障害を受けたときに何が起きるかという証拠でも
裏付けられる」

「世界を認識しつつ、一方で自分は認識できないというのは、理論的に不可能に思える」
しかし、現前しているのだ。

 

オリバー・サックスのエッセイを読んでいたら、自閉症の科学者のことが書かれていた。彼女が記憶していることを話すのは、テープレコーダーが録音されたものを再生するようなものであると。

 

「何十億というニューロンの集合体はなぜか自意識を作り出す」
「脳、都市、ソフトウェア-略-それらは、みんな自己組織が機能している事例なのだ。局所的な相互作用がグローバルな秩序につながっている」

ドゥルーズ/ガタリ、言うところのリゾームとリンクする。

 

「自己組織化の力-それがインターネット接続技術と結びつくことで、同じくらい重要な革命がもたらされる。応用創発は、単にユーザー親和性の高いアプリケーション構築をはるかに超えたものとなる」

 

「分散生産と開発は、一部の根本的な所有権が否定されたオープンソフトウェアの世界ですばらしい成果をあげた。だが、後期資本主義のもっと独占的な部分が、その内部組織をアリの巣やニューラルネットにあわせて形成できるかというのは、大きな問題として残る」

 

「ある分散知性(人間の脳)は他の分散知性(アリ)の教えを適用する新方法を理解し、
それが別の種類のもの(バーチャル都市)の送信プラットフォーム(ネットワーク)として使われ、そのバーチャル都市をわれわれは、地球上で最大の人工自己組織化(実際の都市)の近隣にあるアパートに安全に座って楽しむ。連鎖のずっと下まで創発が続く」

 

気になったとこだけ、羅列してみた。前後不明で判読しにくいとこは、ご容赦。
ほんとは、もっと掘り下げたいんだけど、このへんで。

 

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