はつらつ かつらおやじ

僕が殺した人と僕を殺した人

僕が殺した人と僕を殺した人


はつらつ かつらおやじ
はつもつがつ ガツガツ 喰って
はつネミク 見くびるな ピルスナービール オカワリ

『僕が殺した人と僕を殺した人』東山彰良著を読む。
台湾の多感な十代の少年たちが日々巻き起こす事件。
もろホモソーシャルで、なんて言ったっけ、そう厨二病、それそれ。
何かにつけ気にくわない。
先生、親、同級生、先輩・後輩…。
『ババァ、ノックしろよ!』
 (TBSラジオライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」)状態。
修学旅行で京都へ行った全国の中・高生が
眼を飛ばし合って、ことあらばケンカ上等となる。

ひと昔前ならリーゼントでロケンロールなんだけど、
ヒップホップにブレイクダンス
物欲と性欲。
MTVが全盛の頃、彼らは街でダンスの練習をする。
タイワン・グラフィティ。

やがて少年は大人になってそれぞれの道を歩む。
胸にしまっておく事件は、抜けないトゲとなっている。
少年期と青年期を入れ子にして話は進む。
前半と後半で主役、視点が切り替わる。
青春の光と影。
光はいつ影になるかもしれないことを知っていた。
影は光になることは望んでいなかったかもしれない。
見事な転換。

『流』同様骨太で男くさくて、
話はまったく違うがどこかすがすがしい読後感。
蒸し暑い台湾の熱気と乾いたアメリカ西海岸。
新潮クレスト・ブックスから刊行されてもおかしくない一冊。
『僕が殺した人と僕を殺した人』王夏帆(登場人物の一人)著 東山彰良訳とかで。

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