それなりの収穫

こびとが打ち上げた小さなボール

こびとが打ち上げた小さなボール


仕事のネタ本でビジネス書をまとめ読み。
当然だけど翻訳小説よりは断然読みやすく、
収穫もそれなりにあった。
ないのも意外とある。

『こびとが打ち上げた小さなボール』チョ・セヒ著 斎藤真理子訳を読む。
再開発で住まいを奪われる一家。
その長がこびとだった。
資本家階級と労働者社会階級、
金持ちと貧乏人、
健常者と身体障碍者あるいはLGBT
ま、単純な二項対立ではないが、
読んでいて炙りだされる。
都市化が急速に進む。
ネガティブに言えば街殺しなわけで、
無許可の不法建築物の住まいも思い出も友達も搾取される。

工場でこき使われる子どもたち。
過酷な労働環境、薄給、
出口なしの状況を壊すために
とあることを計画する。

こびとのお父さんはなんか象徴的、寓話的。
ふと『ブリキの太鼓』のオスカルをイメージした。
似てはいないが。

四方田犬彦の解説が素晴らしくて、
ここだけでも読んでほしい。

コビトは差別用語なのかあ。
コビトカバや白雪姫と7人の小人はどうなるのだろう。
随分前にランディー・ニューマンの「ショートピープル」という曲が
FENでよくかかっていた。
なんか差別っぽい歌詞と記憶していたが、
歌詞を検索してみると、
差別っぽい歌詞が続いてオイラもだ的なオチ。
嫌いの嫌いは好きというパターンか。
ひねくれ具合がいかにも。




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