ここは知の果て

知の果てへの旅 (新潮クレスト・ブックス)

知の果てへの旅 (新潮クレスト・ブックス)


『知の果てへの旅』マーカス・デュ・ソートイ著 冨永星訳を読む。

人はどこまでわかるようになったのか。
宇宙、時間、意識などなど。
最先端、最前線の話をいつものようにエンタメテイストを利かせながら
できるだけわかりやすく咀嚼している。
でも、100パーはわからない。
ゆえにわかるとだけ、面白そうなとこだけ
ちゃっちゃと読む。

島宇宙」って天文用語だが、最近ではネット民を称しているタームだが、
命名者が哲学者カントだったとは。

「我が上なる星空と我が内なる道徳律」

 

 

カントの唱えた「道徳律」に、
余りに偉そうで若気の至りから「ケッ!」と思っていたが。
絶対的な人としての良識、モラル。
守れたら戦争も人種問題も起こらないのだが。

ビッグバンについてペンローズを引用して。

「宇宙は収縮するのではなく、加速しながら膨張しており、
生命や銀河や物質さえ存在しない状態、光子だけが残された
冷たい状態へと向かっている」


なんてこったと異を唱えるペンローズ

「片方の宇宙の最後を収縮させて、次の宇宙の始まりを膨張させれば
よい」

手塚治虫の『火の鳥』じゃん。
輪廻転生じゃんと仏教徒である日本人には
ペンローズの考えはムリなく入って来る。

ダニエル・デネットを引用して。

デネットによると、ヒトは近い将来に、自分たちが意識を持つのに
欠かせないと思われる物理的なものを越えてまで意識という概念について
延々と議論するのは無駄である、ということに気づくという」

 

ウィトゲンシュタインの有名な

「語りえぬものについては、沈黙せねばならぬ」

 

に作者はこう述べている。

「知りえぬものについては、想像力を働かすことができる」

 

 

総スカンを喰らっているトンデモ理論が
後に立証される。
科学は非科学と思われる宗教さえも
使えるものは利用、応用、パクってきた。
それが科学以下文明の発展史ではないかと。
思考停止すると英知は死んじまう。ってことか。
回遊しないと死んじゃうマグロだね。

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