集まった知性は遅くなる


『鈴木さんにも分かるネットの未来』川上量生著を読む。
鈴木さんとは元スタジオジブリのプロデューサーの鈴木さん。
アナログ世代のおじさん代表。
その人にネットのこと、これからのネットのことを
レクチャーしてくれる。
他にも、UGCとプロ・アマの垣根、
電子書籍と紙の本の違い、
コンテンツがプラットフォームに牛耳られないためには。
などなどが書かれていて、
通しで読むと頭の中のもやもやが晴れる内容になっている。
著者は、ドワンゴの人でニコ動の人で
今はKADOKAWA・DWANGOのトップの人。
ネットとリアルの共存とか。

で、一番面白かったのが、集合知について述べられた章。
集合知というと何かすごいいいイメージを持たれがちだが。

集合知は人間よりも頭が悪いというのが本質であって、
知性が集まって頭が良くなるのは特定の条件下で発生する例外的な
現象だと、ぼくは考えているのです」


そっか。だから、ぼくは、だらだら続けるブレーンストーミング
嫌いなんだと。

「集まった知性は遅くなる」

 

 


その例として民主主義を挙げている。

 

「法律をつくるためには、法案の内容を国民に周知させ理解を得ながら、
各議員も法律の内容を勉強し、国会で多数決で議決する必要があるのです」

 

この場合、遅くて構わない。ところが、ネットになれているせいか、
昨今、すぐに決めたがるせっかちな人が多い。
すぐにキレる人でもある。

じゃあ、どうすればいい。
「自律分散システム」で、いけと。

ばらばらでいっしょってこと。
イコール「創発」だと。
たぶん、それはリゾーム
いやあ深い。


近い将来、テレビはインターネットテレビになると。
じゃ、どんなことが楽しめるのか。
電子書籍の出現が出版社の存続を問うように、
ネットテレビがテレビ局の存続を問うらしい。

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