探偵はバーカウンターの中にいる

『竜王氏の不吉な旅』鮎川哲也著を読む。
「三番館の全事件」シリーズの1。
警察官あがりの探偵。主人公と思ったら、
主役はバー「三番館」のバーテンダー。
探偵が依頼を受けて暗礁に乗り上げた事件を
バーカウンターの中にいて、真犯人を突き止めるという
安楽椅子探偵物。
星影龍三ほど、イヤミで気障でなく、
鬼貫警部ほどシブくなく。
探偵もたまには頑張ろうと、バーテンダーの助言なしに
動いてみるが、案の定、ヘタをこく。
相談料代わりにカクテルをかなりの杯数オーダーする。
銀座のバー「クール」でギムレット1杯飲んだだけで、
結構、きいたもんね。
こりゃ酔っぱらうぜ。と思ったら、
作者はアルコール類が、からっきしダメだったらしい。
短編だから、ストーリーも濃密でテンポが良い。
イギリスのミステリーを彷彿とさせるユーモアも魅力。
本格ミステリーの宝石箱や~!!
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