死者を笞打て

死者を笞打て (講談社文庫)

死者を笞打て (講談社文庫)

『死者を笞打て』鮎川哲也著を、図書館保存庫から借りて読んだ。
作者が発表した『死者を笞打て』が、
かつて女性作家が書いた作品に極似している。
盗作の疑惑をかけられた作者。
その疑いを晴らすために、女性作家の行方を追う。
名誉もあるが、飯の食い扶持を失くすことにもつながりかねないから。
四方八方手を尽くして、やっと消息を知る者を突き止めたら、
次々と殺されていく。
盗作疑惑。ミステリーなどの文学にも、音楽にも
「偶然の一致」(byピストン西口)は、あることはある。
音楽なら、YouTubeに並列されていることもあるけど。
当時の人気ミステリー作家、評論家、編集者が本名に近い変名で出て来る。
楽屋落ち的世界は、発表したときには、さぞかしウケたことだろう。
スラップスティック風味。結末がバツグンでマジ笑えた。
『大いなる助走』筒井康隆の先駆け的作品ともいえる。
小林信彦の『オヨヨ大統領』シリーズが好きな人に、おすすめ。

人気blogランキングへ