『記号と事件』再読

記号と事件―1972‐1990年の対話 (河出文庫)

記号と事件―1972‐1990年の対話 (河出文庫)

『記号と事件』ジル・ドゥルーズ著を再読。
取材嫌い・対話嫌いという著者の唯一といっていい、
対話集、インタビュー集。
当然話し言葉なので、わかりやすい。
ひとえに聞き手が優れているからなのだろう。
著者校で話し言葉をすっかり書き言葉に朱記してしまう人もいるが、
―もっとすごいのは取材原稿を破棄して既定の文字数で書き直してしまう人―。
(経験者は語る)。
対話が「1972年―1990年」までと幅がある。
『アンチ・オイディプス』『千のプラトー』『襞 ライプニッツとバロック』など
著作が出た後に行われているので、
ミュージシャンが新譜を出した後のプロモーションも兼ねた
10000字ロングインタビューにも思える。
ベルクソンライプニッツなどから、とりわけフーコーへのラブを感じる。
あ、映画ならゴダール
ドゥルーズの哲学の土台、バックグラウンドがわかるのは、ありがたい。


「われわれ人間には幼年時代と老年時代と成年時代が同時に共存しているのだとフェリーニが述べていましたが、これはまったくベルクソン的な考え方です」

解剖台の上のミシンとこうもり傘の出会いならぬ、
フェリーニベルクソンの出会い。


半分眠りながら聞いていた『ロケットマンショー』。
選曲が、バート・バカラック。秋だなあ。

人気blogランキング