空気読み

あんまり寒いんで自転車を走らせて隣の区の図書館へ。
もちろん左側で、さ。
体はほかほかしてきたが、マスク越しに左の鼻腔から
たら〜り。鼻水か、鼻血か。後者だった。
鼻血ブーじゃなくて、たら〜り。


『新版 戦略PR』本田哲也著を読む。
広告がダイレクトにものを売ることに主眼を置いているのに対して
PRは、その前の「売れるための「空気」をつくること」だと作者は言う。
昨今、広告が効かなくなった、
もっとカッコよく言うなら「消費者の心に刺さらなくなった」のは、
消費者がエエコトしか言わない広告に猜疑心を持つようになったかもしれない。
気になる新商品は、その企業のWebサイトや新製品情報サイトをチェックする。
さらに価格ドットコムなどでユーザーレポートや実勢価格なども調べる。
旧世代の広告屋には、いかんともやりにくい時代になったものだ。
クチコミ、バズコミュニケーションとか。
余談になるが、風説の流布は、その最悪の一例。


で、作者は成功事例としてサントリーハイボール」を詳細に紹介している。
外飲み、家飲み、いかにいまの気分がハイボールなのか。
あ、ハイボールがキテると思わせる。
インフルエンサーがブログで書く。ツィッターでつぶやく。
ハイボールに合う簡単おつまみなどをフリーペーパーで紹介する。
もちろん販売店や消費者などチャネル毎のきめ細かなPR戦略が
功を奏したとは思うが、ウイスキーを知らなかった若者に、
ソーダ割りが新鮮に見えたということもあるだろう。
何らかの「気づき」を与えることが、結局は購買動機につながるのだと。
もう画期的な新製品なんてそうそうは出ないだろう。
だとしたらダサイ、売れないものも新たな付加価値を与えれば、
リメイクを越えるものになるのかもしれない。


行動経済学でも「人は理屈ではなく感情で行動する」そうだが、
「感情」言うなれば、いかに好意的な空気をつくるか。が、戦略PRなのだろう。
商品からこの本にも出てくるが選挙、世論、企業イメージなど間口は実に広そうだ。
日に何度も顔見世する官房長官は空気をつかんでいる。一方、首相は。というように。


作者曰くPRの一環に広告がある。
だが、日本は広告>PRとなってしまった。
広告メディアが4マス(TV、新聞、雑誌、ラジオ)から
4マス+ネットへとなると、たぶん企業は巨額の広告及び
広告費の有効活用をつくり手にも求めるようになった。
巻末の佐藤“「明日の広告」”尚之と作者の対談は、
これからのクリエイター、特にライターのあり方を示唆しており、
ここだけ読んでもモトは取れる。


東京ゴールデン商会の最新作
『オヤジ語録(OYA-G GO ROCK!)』の表紙画像が届いた。
まもなく配信予定、乞うご期待!!


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