悪寒のおとん

 

年末になると調子が悪くなる。
1日寝られれば、そこそこ良くなるはずだが。
新宿の広告プロダクション勤務時代、
発熱すると注射を打ってくれる病院があった。
代謝も良かったのだろう、
注射後、しばらくしてから滝のような汗が出で、すっきり。
熱も下がっていた。
原稿も予定通りにはいかない。

『現代経済学』瀧澤弘和著を読む。
ゲーム理論行動経済学・制度論」など
裾野が広がった感のある経済学のさわりをまとめた本。
ちょっと気になったところを引用する。

「彼ら(人類学者デイヴィド・グレーバー、エコノミストのフェリックス・マーティン)の節に寄れば、貨幣は交換から発生したのではなく、むしろ貸借の記録という会計から
発生した。―一部略―グレーバーによるれば、人類の歴史の中では、市場経済でも物々交換経済でもなく、贈与経済が一般的であった」

 

マルセル・ モースの『贈与論」みたいな話。ポトラッチとか。

 

ぼくが頓挫したトマ・ピケティの『21世紀の資本』の評価。

「これまで経済学者の多くが行ってきた経験的研究では、研究者の間で広く標準的に用いられてきたモデルを前提とし、それに現実のデータを突き合わせて評価する手法が用いられるのが通常である。これに対して、ピケティは―一部略―現実の歴史的データを用いて分析し、結論を出そうとしているのだ」

 

「理論先行の経済学」だと理論を裏付けるためのデータだが、
そうかピケティは逆なんだ。
ま、データサイエンティストも花盛りだし。

「メカニズム」という用語について。

「現在では、科学研究の本質は法則探求にあるのではなく、むしろ
カニズムの解明にあると考える哲学者が登場してきている」

 


誰だろう。

「経済学が扱う経済のシステムが、物理学などが対象とするシステムとは
異なり、その振る舞いが人間の意志決定で決まるという特徴を持っている
ことである。このことは、人間が自分の行動が持つ社会的意味や経済システムの振る舞いを自覚しているという複雑性がシステムの内部に内包されることを意味しており、普遍的法則と呼べるほどの関係の導出は難しいといえる」


「複雑性」って複雑系か。なら、内部観測やオートポイエーシスに話にもつながるような。

引用はすべて「終章 経済学の現在とこれから」。
他章はきっちりとまとめられてある。
「終章」を読ませるためのお膳立てだったのかと気づく。

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