「黄昏のビギン」の物語: 奇跡のジャパニーズ・スタンダードはいかにして生まれたか (小学館新書)
- 作者: 佐藤剛
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/06/02
- メディア: 単行本
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『「黄昏のビギン」の物語』佐藤剛著を読む。
前著『上を向いて歩こう』が、こってり系なら、
こちらは新書のあっさり系ってとこ。
中村八大について手短に知りたいなら、こちら。
ぼくも、「黄昏のビギン」を認識したのは、
ちあきなおみのカバーを使った車のTVCMだった。
通常のCMと違って、まさに静かなトーンとサウンドのCMは、
目よりも耳に残った。
この本は、永六輔・中村八大コンビによる、この曲が生まれるまでと
日本の歌のスタンダートナンバーになるまでのことが
書かれている。
二人は、まず初稿の詞をもらい、曲に合わせて使えるところを
選ぶ。さらに、自分なりの言葉をプラスして、
最後に調整するとか。
ただ、この曲は、ほとんどの作詞は中村八大だったそうだ。
そう言い切る永六輔も素敵っちゃー素敵。
新しい歌をつくるのには、既成の作詞家では、ダメ。
そこで放送作家だった永に声をかけてのが大学の先輩だった中村。
日本レコード大賞の記念すべき第一回受賞曲は「黒い花びら」。
作詞・作曲は六八コンビ、歌は水原弘。
せっかく新しい賞なのだから、新しい人にと。
古賀政男と服部良一の意見が一致して決まったというエピソードが出て来る。
なんて素晴らしい出来レース。
1959年のことだそうだ。
「黒い花びら」の替え歌「黒い鼻くそ」を何となく覚えているのは、
追体験かな。
いろんな人のカバーを聞いてみたが、
ちあきなおみはもちろんだが、本家の水原弘がいい。
水原弘って改めて聞いたが、いいよなあ。
あと若い人では、“ラムちゃん”Sumire。
セルジオ・メンデスのピアノで歌っているが、
なかなかよろしい。
最近はバラエティやCMで売れているが。