『アップダイクと私』と私

アップダイクと私 ---アップダイク・エッセイ傑作選

アップダイクと私 ---アップダイク・エッセイ傑作選

今日は、娘の誕生日。おめでとう。
きみが生まれた日も、肌寒い日だった。
アニメーション『おおかみこどもの雨と雪』ではないが、
母さえいれば子は育つわけで、
世の父親なんて極論すれば、種付け以後は生ける屍つーか、
生活費を巣に運ぶゾンビみたいなものか。


『アップダイクと私』ジョン・アップダイク著 若島正=編訳 森慎一郎訳を読んだ。
アップダイク・エッセイ傑作選。
編者のチョイスがいいのだろう。もちろん、訳も。
『ニューヨーカー』などに掲載された洒脱なエッセイ。
いかにも、いかにも。
文学はもちろん、映画、ミュージカル、漫画(イラストレーション)など
アート系まで守備範囲が広い。
とりわけ、アップダイクの書評が、これまたいいのだ。
日本の作家も取り上げている。
夏目漱石、ファンだったという谷崎潤一郎村上春樹
海辺のカフカ』の書評なんて実に端的。的を得ている。
日本人作家や評論家が書くと、どうやら“春樹バイアス”が、かかるらしい。
成分の大半は、ジェラシーらしいが。


ギリギリ十代の頃、アップダイクの『農場』を読んだ。
そのとき、出てきた「花粉症」という言葉がわからなかった。
やがて、その症状で自分も苦しめられるとは。
すでに、かかっていたんだけど。


作家は、本を読む人とまったく読まない人に大別されるかも。
資料用というよりも趣味、息抜きとして。
アップダイクは、前者だ。
迂闊にもアップダイクが亡くなっていることを知らなかった。
というよりも忘れていたのか。
『ウサギ』シリーズなど、アップダイクの小説のファンだったのに。
迂闊にもアップダイクがノーベル文学賞をもらっていないことを知らなかった。
編訳者同様、なぜ?と思う。


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