- 作者: 向井周太郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
午前中、夏物のジャケット&半袖ポロシャツで
四谷へ行く。
9時過ぎなのに地下鉄はまだ混んでいた。
ケンカを売られ、ナイフで刺されないように
おとなしく『胎児の世界』三木成夫著を読む。
おつきあいのある会社の周年誌に
企画・インタビュー・原稿書きとどっぷりとつかっていた。
送られてきた周年誌の色校、カラー出力を文字校する。
この際、できる限りデザイン関連の本を漁ろうと
借りたり、一部買ったりした。
ぼくが興味を覚えたのは、原研哉の書いたものだったが、
それよりも彼の武蔵野美術大学時代の恩師といえる
向井周太郎の書いたものに、強くひかれた。
「…宇宙に対立して自我を設定するという古い世界観はすでに色あせ、
それにかわって、あらゆる対立する力を完全な宥和へと導く世界合一の思想が
生まれつつある」
「この引用はバウハウスの創設者、ワルター・グロピウスの「バウハウスの
理念と形成」(1923年)という論文の冒頭の言葉です。
私はデザインを学ぶ過程でこの言葉に出会い強く共振しました」
『デザインの原像』向井周太郎著の「文庫版のあとがき」の冒頭。
バウハウスの後継ともいうべきウルム造形大学に学び、
ムサ美の基礎デ(基礎デザイン学科)を創設したそうだ。
柔らかな視点が、中村雄二郎に似ているとふと思った。
デザイン学と哲学の学際的領域。
きわものとかいうが、キワあたりが面白く、
きわめればさらに楽しくなるだろう。