- 作者: 獅子文六
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2017/08/07
- メディア: 文庫
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助かります。
ぼくがカンダタなら天上から降りてきた蜘蛛の糸、
貧しき同業者とシェアするよ、たぶん。
♪曲がったことが大嫌い、小宮山信子です♪
(by原田泰造 替え歌)
『信子』獅子文六著を読む。
女性版『坊ちゃん』でレビューは済んでしまうのだが。
夏目漱石の『坊ちゃん』は、江戸っ子が四国の学校に赴任するが、
こちらは逆。大分から東京の私立学校に赴任する。
そこでのさまざまなカルチャーショック。
ギャップが笑えるし、いろんな対立は物語に面白さを出す。
体育しか教員の枠がなく、体育教師と女子寮の舎監になる。
私立ゆえ経営陣はビジネスを考える。
校長は女子教育の理念を追う。
この図式はいまも変わらないだろう。
九州女子の正義感で何事にも立ち向かう。
いいこともあり、そうでないこともあり。
変わらないところをチクチクやるから
古びていないのかもね。
女子高なんでちょっとエスっぽい。
当世風に言えば百合系か。
終わり方が、いかにも続編が書けそう。
奥泉光あたりが続編を書かないかな。
とにかく作者は無類の漱石ストだったようだ。
見事な本歌取り。