晴れた午後

黒髪・別れたる妻に送る手紙 (講談社文芸文庫)

黒髪・別れたる妻に送る手紙 (講談社文芸文庫)

朝の雨が上がり、昼過ぎに陽射しが降り注ぐ。
この時期にしては温かく柔らかな光。
イチョウなどの黄葉・紅葉が雨に洗われ、
いっそう色が映えている。


『黒髪・別れたる妻に送る手紙』近松秋江著を読む。
いわゆる情痴小説の代表格ってことは知ってたけど、
読むのははじめて。収録されている「疑惑」がいい。
妻が若い男と出奔。作者が刑事よろしく出奔先であろう
日光の旅館を訪ねては宿帳をチェックする。
ちょっと前にネットで話題になった
『今週妻が浮気します』をもじれば、
『今週妻が若い男と家出します』。
いまならペンの代わりにデジタルハンディカムでも持てば、
平野勝之ばりの作品になるかも。
それにしても売れない作家の妄想、疑心暗鬼ぶり、
なりふり構わぬ妻への未練たらたら、
ダメ男ぶりはちょっとすごい。ここまで吐露するかって。
軽蔑じゃなくて結構シンパシーを感じている、ぼく。


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MasterCardファイナンシャル・マネージメント対談が更新されていた。
「第5回 苦手は成長の素 」
丸山和也(弁護士)×原江里菜(プロゴルファー)


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