- 作者: 宮本常一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1993/12/06
- メディア: 文庫
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営業の種まきが芽吹いた。
まいてみるものだ。
送った本の企画は、どうなるだろう。
午前中、資料のDVDをパソコンで眺めつつ、
ポイントをメモる。
『民俗学の旅』宮本常一著を読了。
先祖、両親から師ともいうべき柳田国男、渋沢敬三との出会いなどが
綴られている。人柄を感じさせるチャーミングな文章。
なんだか日本のスナフキンのように思えてきた。
「今一つは田や畑を百姓たちと一しょに歩いて見る。そうしたことからお互が
啓発されていったのであった。そうした生活の中にそれぞれの人の信条があり、
その信条は生活の習俗につながるものが多かった。
習俗といい民族というのは日常生活からきりはなされて存在するものではなく
生活の中にあるものである。−略−学者たちのおこなう調査とはおのずから
異なる方法をとらざるを得なくなる」
実際、同化してしまい、「学者」には話さないことを聞き出したそうだ。
「すべてが進歩しているのであろうか。
停滞し、退歩し、同時に失われてゆきつつあるものも
多いのではないかと思う。失われるものが、
すべて不要であり、時代おくれのものであったのだろうか」
農村や漁村の進歩に尽力した作者だが、かような疑問を投げかけている。
決して「昔はよかった」的なスタンスからではなく。
作者の講義を受けられたムサ美の学生が、ちと、うらやましくなったぜ。