シネマの解読

シネマ2*時間イメージ (叢書・ウニベルシタス)

シネマ2*時間イメージ (叢書・ウニベルシタス)

暖冬なのだろう、心の準備ができていないまま、花粉症が発症したようだ。
花粉症に犯された気分。意外とショック。
目の痒み、朝晩のくしゃみならまだしも、なんともいえない気持ち悪さは、
気持ちを暗鬱にさせてしまう。
前にも書いたかもしれないが、花粉症って言葉をはじめて知ったのは、
予備校生時代に読んだジョン・アップダイクの『走れウサギ』だったと記憶している。
ウサギじゃなくてアップダイクだったっけ、花粉症は。
母がアレルギー性鼻炎ゆえ、ぼくもそうで、偶然妻もそうで、
当然子どももそうで、恨まれてもなあ。
3月上旬頃、上越方面にスキーに行くと花粉でふくれあがった杉林を目にした。


『シネマ2*時間イメージ』ジル・ドゥルーズ著を読み始める。
映画論というよりも映画・映像イメージ論らしく、どうかなと思ったが、
ジジェクよりはいまのところ、読みやすい。
ロッセリーニ、デシーカ、ゴダールブレッソン、アントニオーニ、アラン・レネ
タルコフスキーからキートン、ロイド、ジェリー・ルイスなど、
なじみの名前や作品が取り上げられているからなのだろう。
作者もシネフリークだったのか。

「映画はイメージを提示するだけではなく、ある世界によってイメージを取り囲む。
そのようなわけで、映画は非常に早くから、しだいに拡大する回路を探求したのであって、
これが現働的イメージを、回想イメージ、夢イメージ、世界イメージへと結びつけたのだ」

「拡大する回路」とは、どことなく黒澤清っぽいではないか。


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