わが悲しき娼婦たちの思い出 (Obra de Garc〓a M〓rquez (2004))
- 作者: ガブリエル・ガルシア=マルケス,木村榮一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09/28
- メディア: 単行本
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買い物帰りに空から白いものが落ちてきた。今日は肌寒い。
ココアを飲みながら、『わが悲しき娼婦たちの思い出』ガルシア・マルケス著を読む。
川端康成の『眠れる美女』にインスパイアーされた小説だそうだが、
こちらはご高齢でも
「満九十歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、
自分の誕生祝にしようと考えた」
っていうくらいで、とても高齢者とは思えないほど。
愛することがプラトニック的な行為だとするならば、
ほんと十代の少年のようで。気持ちの乱高下が激しい。
ただ眠っている(眠らせた)うら若き処女と添い寝して、裸身を眺めたり、
くんくんさせるだけなんだけど、クイレジーラブなのだ。
なめるように視姦といってもいいかも。その対象となる女性の曲線美。
ふと、マン・レイの「アングルのヴァイオリン」を思い出してしまった。
川端のが懐石料理なら、こちらはTボーンステーキ、ミディアム・レア。
ありえるのか、ありえないのか。
読むにつれてありえるように思えてしまうのは、作者の筆力だし、
ゴージャスな物語舞台は、贅を凝らしたシーンを読むものに投影させてくれる。