物語依存症(アディクション)

 

物語は人生を救うのか (ちくまプリマー新書)
 

 


焦げそうな陽ざし。
吹き出る汗。
『おっととっと夏だぜ!』(byEE JUMP)。
 
左手の薬指をケガして治ったと思ったら、
今度は右手の人差し指をケガする。
最初ケガしたとき、キズパワーパッドが切れていて
近所のスーパーマーケットに行ったけど在庫切れ。
代わりにケアリーグ治す力 防水透明タイプを購入した。
思った以上によかった。
水やお湯につけてもはがれにくい。助かる。

 

『物語は人生を救うのか』千野帽子著を読む。

順番としては『人はなぜ物語を求めるのか』を先に読んだほうがいいらしいが。
逆もまた真なり。意味はない。
 

「人間は物語を必要としている」

 


さらに

「人間は不可避的にストーリーを合成してしまう」

 

しかも

「「必然性」を求めがち」

 


 
と作者は述べている。
 
この物語、主観的につくられるので事実とは異なる。
間違い、誤謬。
事実を都合のいいように捻じ曲げることで
人は悲しいことや辛いことを克服できるのかもしれない。
個人的趣味と仕事で必要に迫られて行動科学の本を
片っ端から読んだ。
 
「不可避的にストーリーを合成」することは、認知バイアスとはぼ同義だろう。
「「必然性」を求めがち」
そのティピカルな一例が因果関係。
ある結果には必ず然るべき理由があるはず。
刑事もののTVドラマでおなじみの取調室での一言。
「お前がやったんだろ。動機は何だ」
 
以前自転車に乗って四つ角で前方を確認しないで渡ろうとしたら
車と接触、事故を起こしたことがある。
こちらに非があるので神妙にしていたが、
おばちゃんドライバーは、現場検証に来た警察官に
いかに自分が悪くないかを力説していた。
 
後日、警察署に行き、調書を取られた。
フォーマット通りに接触事故を起こした物語をつくっていく。
最後に担当官がその調書を読み上げて落着。
そういうことか。

物語はライナスの毛布のような存在かも。
因果関係で成り立っている推理小説や2時間ドラマの影響?
 

「人は物語に教訓(一般論)を読み取ってしまう」

 

 
納得。とまれ物語は人にとっていい意味でも悪い意味でも、よすが
でも物語って虚構ですぜ。
それがだ、昨今はSNSで野火よりも早く拡散される。

『「原因と結果」の経済学』中室真紀子 津川友介 共著の
拙レビューも参考の一助に。