デビュー前後

『公園 卒業式 小島信夫初期作品集』を読む。
作家、ミュージシャンなどデビュー作から変わらないタイプと
激しく表現スタイル、作風を変えるタイプがいる。
小島信夫は、どうだったのだろう。
期待しつつ読んだ。
一高時代高く評価された『裸木』は、よくできた作品だった。
戦前のものでは、『公園』がいい。


戦後の、特に『ふぐりと電子ピストル』は、
後の作風につながるものがある。
シュールなユーモア。
男性器が服を着て歩いている、いや露出している
エロ雑誌出版社の社長。
戦後の出版ブーム、エロや性の解放、
それを取り締まる国家権力などをカリカチュアしようとした試み。
佐々木敦の解説では、失敗作かもしれないと述べているが、
けったいな作品。
今までのスタイルを壊すというか、実験作的ものなのだろう。
作家としてデビューする前の変遷を知ることができる。

関係ないが、RCサクセションのデビュー作が『初期のRCサクセション』。
デビュー作で「初期」というのが、おもろい。
フォーキーなサウンドでストレートで胸に来る歌詞。
エアチェックしたカセットテープは、
20歳前の夏のヘビロテだった。

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