- 作者: 五十嵐太郎
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/03/03
- メディア: 単行本
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『ヤンキー文化論序説』五十嵐太郎編著を読む。
予想に反して面白くなかった。
特筆すべきは、巻末の故ナンシー関の「ヤンキーコラム傑作選」で、
他の論評は、ナンシー関の引き立て役のよう。
面白くなかったのは、なぜだろう。
オタク論は、面白く読んだんだけど、
ヤンキー(またはヤンキー的)は、あまりにも層が部厚いということか。
それとヤンキー気質は、大抵の人が持ち合わせているということなのかな。
だからサブカルチャーじゃないのだよね、きっと。メインカルチャー。
ふだんは温厚な紳士なのに、浦和レッズの応援に行くと豹変する人とか。
都築響一がこの本で語っているように、
地方って、ヤンキー(またはヤンキー的)文化圏で括れてしまえるし。
アメリカ人の蔑称、ヤンキーであり、やんちゃのヤン。
ひと昔前みたいに女物のサンダルをつっかけて。というのはないけど。
音楽なら、キャロル→矢沢永吉→横浜銀蠅→ボウイ→氣志團→DJオズマ→エグザイルという流れは
なんとなく納得できるが。
十代でツッパリ→高校中退→不良→できちゃった婚→ヤンママ&ヤンパパ、
かたぎになる→ガテン系自営業→独立という図式も、崩壊してしまったようだし。
代々木の予備校へ行ってるとき、同じ学校で商業科のワルと鉢合わせしたことがあった。
彼は、代々木の美容学校に通っていた。かつての狂犬のような顔つきはどこへやら。
すっかり腰が低くなって別人のようだった。
間借りしていたオフィスに「自分」という女の子がいた。
「自分、やるっす」とか言うもんで「元ヤンだろ」とたずねたら、
笑って否定していた。