念入りに

旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三 (文春文庫)

旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三 (文春文庫)

週末は、仕事関連本を飛ばし読み。
新書やネットの記事など読まなくてもかまわないとは思うんだけど、
儀式というのか長年のスタイルなもんだから。
仕込みもしくはウォーミングアップは念入りにした方が
あとあと効いてくる気がするし。


マイミクさんから教えていただいた『旅する巨人』佐野真一著も読んだ。
柳田国男、渋沢敬三宮本常一。特に、渋沢と宮本について書かれた本。
渋沢一族の当主だった敬三は、民俗学者などの夢を諦め
パトロン、大ダンナとして宮本を庇護する。
どうも作者は好きな順番が渋沢敬三>宮本常一>柳田国男らしい。
柳田はやはり官僚上がりの文人、貴族主義的なところがあり、
フィールドワークなどでも一線を画していたようだ。
ところが在野の民俗学者、宮本は、日本各地を貧乏旅行して、
地元の人と溶け込み、同化して土地の人になって、
集落の長から貴重な聞き書きをしていたそうな。
それにしてもすごい人だ。
労作だけど、渋沢敬三宮本常一は、やはり別な作品にした方が
よかったような気がする。
余談だけど、もう渋沢敬三のようなパトロンは、出ないんだろう。
代わりに企業メセナとか一時盛んだったけど、
若く才能のある学者や芸術家などをどう伸ばしていくのだろう。


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