噴き出す

情報革命バブルの崩壊 (文春新書)

情報革命バブルの崩壊 (文春新書)

録画しといた『20世紀少年』を見る。
『ウルトラマン』で子どもが描いた落書きが
そのまま怪獣になる話があったけど、
そんなことを思い出す。
反ユートピアというか、不気味なカルト宗教のテロ。
どうしてもオウム真理教とオーバーラップしてしまう。
このあたりのこだわりは『トリック』の監督だからなのかな。


『情報革命バブルの崩壊』山本“切り込み隊長”一郎を読む。
ネットじゃタダで情報が手に入るのが、当たり前になってしまった。
たとえば、ポータルサイトなどに必ずあるニュースや新聞記事。
まあ「ちょっとだけよ」とさわりだけだが、
それを読んでしまえば、それでおしまい。
実際の新聞購読にはつながらない。
魚にエサだけ喰われた釣り人のようなもの。
じゃあニュース配信は止めて、
新聞社の自前のサイトで読めるようにしようか。
アクセス数ではYahoo!などには、到底かなわないと、作者は言う。
そんな媒体として価値のないものに、広告とてようつかんと。
クールというのか、理詰めというのか、冷めた物言い。
その情報は、「テキスト」化されたもので、
実は世の中にはネットじゃわからない情報がごまんとある。


『情報革命バブルの崩壊』に偶然付随するんだけど、GIGAZINE
新聞やテレビが絶対に書かない「ホリエモン」こと「堀江貴文」の真実〜ロングインタビュー後編〜が、なかなか興味深い。
長めの引用。
G:GIGAZINE H:ホリエモン

「G:まさにそのあたりの広告がGIGAZINEに来てびっくりしましたね、
自動車会社がGIGAZINEに広告を出す時代が来たのか、みたいな感じで。

H:そう。だから、テレビでCMを出すくらいなら、
GIGAZINEに出した方がいいわけですよね。意外と、それこそGIGAZINE
自動車の試乗レポートやった方が、全然費用対効果高いと思うのですよ。
失礼かもしれないですけど、GIGAZINEだったら、
自動車が3台くらい売れたら元とれるんじゃないですか?

G:元とれるどころか、お釣り来ますね(苦笑)

H:しかも、ロングテールも期待できるわけでしょ?GIGAZINEさんだけじゃなくて、
ほかのネットのメディアにも広告を出すことができますよね。
ほんとに、テレビCM1本出す金があったらどれだけ出せるのか、という話じゃないですか。
ネット中を占領できるんじゃないですかね。
絶対そっちに向かうわけですよ、お金は。

G:事実、この前はソニーの「VAIO type P」とかは
そこらじゅうのサイトでドカーッと一気にやりましたからね。

H:そうそう、ライブドアにすらあれだけ大量の広告が入ってたから、
これはすげーっと思ったよ。

G:びっくりしましたね。どこに行ってもあの広告が見られたので、
ほんとに度肝を抜かれましたね。ああ、時代が変わってきたんだー、って。

H:あんなの、テレビコマーシャルはやる意味ないからね。
VAIO type Pなんて、それこそGIGAZINEみたいなメディアでレビューを
がんがん書いてもらった方がイイ。
あと個人ブログでどんどん宣伝してもらって、アルファブロガーに配りまくって。
そういうことをした方がずっといいですからね。

G:まあそっちの方が正しいですからね、誰がどう考えても。

H:売り方としても正しいです。そういう当たり前のことを、
不況だからこそできるようになるわけです。

G:余計なことはできないってやつですよね。

H:余計なことはできないから、知恵を搾って、一番いい方法、
つまり「最適化」がどんどん始まるわけですよ。」

「最適化」の中にはマスメディアを使う選択肢も当然、あるわけで。
ただ言えるのは広告塔に大物タレントを起用して
広告からSPまでただ単に串刺しにする旧来の手法は、効かないんじゃないか
ということを、広告会社よりも企業が感じはじめているのだろう。


滞っていた仕事が噴き出す。
鼻水も止まらない。
なんとか第1ラウンドは乗り切る。


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