みなさまの

NHK問題 (ちくま新書)

NHK問題 (ちくま新書)

昼ごはんに急に、ナポリタンが食べたくなって冷蔵庫の野菜を見る。
ピーマンはなかったが、玉ねぎ、マッシュルームと魚肉ソーセージを炒めて
茹で上がったスパゲディをからませ、ケチャップを下品なくらい、ドボドボかける。
粉チーズとタバスコをかけて食べる。


いい天気。猫は午後からずっと昼寝。
留守番しながら、『NHK問題』武田徹著を読む。
以下読書メモ。


Web2.0時代における公共放送(=NHK)の意義

「グーグルで調べ、グーグルで知るスタイルが「事実上の標準」になればなるほど、グーグルでも
調べられないもの、グーグルでは知ることのできないものは不可知の闇の底に沈んでゆく。だが、
それが実は広く知られるべきものであれば、誰かがそれを見出し、知らせなければならない。
そして、それを知ることが公共的な意味を持つのだとしたら、それを知らせる義務が公共放送に生じる」

「放送と通信の融合」は、すべてがバラ色ではないし、いまだからこそ「公共放送の新しい使命」が
あるのだと。


三木鶏郎は「ずれる人」


武田はここで宮台真司のタームである−ネタ元はラカンあたりだと思うが−
「「ずれる」アイロニーと「ずらす」アイロニー」を用い、
「教養人は自然に「ずれ」、斜に構えて社会を切ることを生業とする批評家は意識的に「ずらす」」と。
三木は前者であると述べている。戦後のNHKのラジオ人気番組『日曜娯楽版』の諷刺と軽快な音楽で
一時代を築き、やがて発足間もない日本の民間TV放送がはじまると、CM音楽の草分けとして
活躍の場を変えていく。以前、三木の自叙伝を読んだが、「斜に構える」ようなところはなかった。
あくまでも音楽好きの旦那芸というのか、好事家的趣が強かった。
ふと青島幸男を連想したが、三木は政治には向かわなかった。
青島の場合は、当選すると思わなかった都知事選に出馬して当選したことが、たぶん、汚点となってしまった。


○NHKって何だろう


よくいわれることだが、民放はTVCMを流して広告費をスポンサーから徴収して
番組製作などの経営・運営をしている。
みなさまのNHKは、みなさまの放送局なのでTVCMは流さずに、受信料を徴収している。
民放はジャーナリスティックな視点はあっても、公立中正さを保つことができるのか。
その点、NHKは公共放送なので、公立中正さを保つことができるっていえるのか。おいおい。
でもなあ、ニュースや地震速報などはNHK、見るもんなあ。
武田はテレビマンユニオン今野勉に取材をしている。その今野のコメント。
「受信料によって支えられている以上、受信料を支払う5%の人間が望んだ番組を
NHKはつくらなければならない」
すごく正しいと思う。いうなればCS、顧客満足度ってヤツだよね。
お役所的巨大組織のNHKの姿ってかつての国鉄や電電公社と似てなくないか。


つづく。かも


人気blogランキングへ