電波は誰のもの

電波利権 (新潮新書)

電波利権 (新潮新書)

『電波利権』池田信夫著を読む。


中身はタイトルの通りで、いかに電波をTV局と政治家が食い物にしてきたかという話。
日本道路公団が分割民営化されたけど、−どの程度かは知らないが−
電波(TV局と電話)も解放されねばならないと。
通読すると、その「既得権益」さに腹も立つし、
改めて地デジへの移行ぶりのゆきあたりばったりというか
視聴者寄りではなくいかに自分たちのご都合主義ぶりも知ることができる。


地デジになるって視聴者にどんなメリットがあるのだろうと常々素朴な疑問を抱いてきた。
精細な画像が楽しめる。って、女優や女子アナの肌のあらさがしをするにはいいけれど。
双方向が楽しめる。ってTVでそんなややこしいことしたくないし。


TV番組を親は液晶大画面TVで見て、子どもは自室のPCかケータイのワンセグで見るし、
見逃した番組は録画しなくとも、後日Youtube(あるいはそれに代わるようなもの)で見ればいい。
じゃあリアルタイムで見なくてもいいか。


先日の『NHK問題』武田徹著のエントリーに関連して、
NHKは国営放送ではなく、公共放送たるスタンスは、「民営化」でも可能だと。
現在保有しているチャンネルを民放に譲渡して、民営化の予算にあて、
運営は現行の「受信料から視聴料」に変え、ペイテレビにすればよいと。
「ニュース部門は非営利組織」にせよという作者の提案は納得できる。
そうすれば、NHKの予算を国会承認で決定されるというねじれ現象もなくなるし、
報道の中立性も高まるはずだ。


作者の言いたいことは、下記の本の内容とほぼ同じなので、過去に書いたぼくのレビューを紹介。


『ネットワーク社会の神話と現実 情報は自由を求めている』


nozomu.net - 吉田望事務所よりこのエントリーを紹介。
デジタルデバイドはPCだけに留まらずTVまで進延するとなると、深刻で、かなり、リアリティがある。

アナログ放送停止で発生する大量の地デジ難民


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