本業大工 副業銀行強盗

熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

熊と踊れ(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

熊と踊れ(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫)


『熊と踊れ』アンデシュ・ルースルンド著 
ステファン・トゥンベリ著 を読む。
若い3兄弟と幼なじみが
実に大胆な手口で次々と銀行を襲撃する。
計画の線を引くのが長男坊でいかにも長男的性格。

父親のDVで母親は家を出た。
巨人の星』の星一徹みたいな父親
父親少数民族の出自と誇りと暴力を息子に叩きこむ。
ゴッドファーザー』でいうところのファミリーだね。

強盗で大金をつかんだヤング強盗団内に
次第に不協和音が生じていく。
で、ボロも見えてくる。
やられっぱなしのストックホルム市警だが、
包囲網がじわじわ迫ってくる。

長男の才覚は何をやっても
うまくいったはずなのだが。
懐かしい用語だと
エディプス・コンプレックス
男にとって父親は良くも悪くも社会規範、
お手本、教師あるいは反面教師だものね。

実際に起きた事件とか。
ノンフィクションでもいいが
フィクションにした。
ノンフィクションのような小説と
小説のようなノンフィクションだと、
後者の方がなぜか邪道扱いされる。
えっということがあるのだが、
キモなので言わない。

関係ないが座間の殺人事件報道を見ると
ホラー作家は頭を抱えるだろう、
現実が突拍子も無くてと。

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鬼のかく乱 鬼じゃないけど


托鉢している僧侶も
昨日は飯のかわりにお菓子をもらったりして。
依般若波羅蜜多故。禽苦緒亜禽井都(トリックオアトリート)。
夜の勤務先が渋谷でも恵比寿寄りなので
ハロウィンのコスプレは余り見なかった。
ピカチュウガチャピン、海賊ジャック・スパロウ
キャットウーマン、帝国軍人。ぐらいか。
昨年の方が盛況だった。
人気のピークは過ぎたのかな。
ハロウィンメイクで朝帰り。


子どもの時から喉が弱かった。
おつむも弱く、女子にも弱かったが。
これは終生変わらないのだろうか。
喉をやられた。鼻をやられた。
前兆はあったが、作業中、体が冷えたせいか。
ヒートテックを早めに身につけ備えていたが、
やられてしまった。
市販の風邪薬とトローチ。
しょうがすりおろしうどん大盛。
なんとか金曜日まで持たせないと。



明るく、分かりやすい! 昭和の大衆小説が再ブーム 2017/10/30付 日本経済新聞 夕刊
時代が暗いと明るいものが読みたくなるのか。
そんな単純図式ではないが、
狭い共感の世界の小説は、もういいってことなのかも。
そんなことはないか。
ま、面白ければなんでもよろしい。

 

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木枯らし1号

おばあさん (朝日文庫)

おばあさん (朝日文庫)


台風で大雨の翌日は木枯らしか。

『おばあさん』獅子文六著を読む。
主人公は「69歳」のおばあさん。
日本が第二次世界大戦に入る直前の頃。
東京・山の手というか近郊。
おばあさんとその子どもたち一家
起きるさまざまな出来事。
当時の世相や社会事情をうかがい知ることができる。

唐突だけど『サザエさん』の舟はいくつだろう。
調べたら52歳。波平は54歳だった。
今ならおばあさんと呼べない年齢。
今の69歳だって。

おばあさんがワンダーウーマンばりに活躍する。
早合点、勇み足もあったりするが、ご愛敬。
隠居の身ゆえ家事はしないが、
朝は早く目が覚める。
することがないのでラジオを聴く。
情報通になって、
つい知り合いあの男性を論破してしまったり。
長男、次男は立派に独立したが
末っ子の三男坊がふらふらしていて気がかり。
演劇青年なんだが。

楽しくて、笑えて、
読んだ後、何も残らない。
娯楽小説の典型のような一作。
だが、行間には反戦や反ファシズム
そこはかとなく漂っている。
小津というよりも
古いフランス映画の名作を思わせる。

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飲む 読む

模倣犯〈上〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)

模倣犯〈上〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)

模倣犯〈下〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)

模倣犯〈下〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)


誕生日祝いの
ブラックニッカ ディープ ブレンドをロックで飲む。
うまい。
ソーダ割りで飲む。
うまい。
つまみは、三五八漬けのセロリとニンジン。
うまい。

『犯罪心理捜査官セバスチャン 模倣犯』を読む。
上・下巻、超高速読了。
今回はスウェーデンレクター博士みたいな
サイコキラー、ヒンデと
セバスチャンの戦い。
こちらはイタリアの種馬ならぬスウェーデンの種馬。
というか、サチリアジス(色情症)。
ヒンデは収監中なのだが、
彼の手口にクリソツの連続殺人事件が起きる。
単なるコピーキャットなのか。
あるいは何らかの方法を使って
獄中から指示でもしているのか。


セバスチャンは、
本作ではストーカーまがいの行為もしている。
なぜ。ネタバレになるからおせーない。
心理学のオーソリティーなのに
相変わらず空気や人の気持ちが読めない。

彼はかつてヒンデにインタビューをして
本を出した。

被害者には関連性がないように思えたが、
いずれもセバスチャンが関係していた。
迫りくるヒンデ…。
迫りくると言えば、
セバスチャンに迫りくる女性が出現。
押しかけ女房気取り。
><BR><
作者は映画監督と脚本家のチームだから
テンポが良い。
で、その手のミステリー小説や映画のいいとこどり。
なんとなく『踊る大捜査線』にもつながる楽しさ。

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昨日と今日


10月25日

雨だし、銀行作業は明日にして
チンしたふかしいもを
パクつきながら記事のまとめをする。
雨が小降りのときを見はからって
自転車でスーパーマーケットへ。
牛乳やスポーツドリンクのペットボトルなどを買う。
記事を送る。
書くよりも資料探しと整理の方に時間を取られる。
夜、予想外の激しい雨。
副業でヘロヘロになって帰宅。
元祖エンケンの死を知る。
エンケンがオーナーだった『ワルツ』へ
ピラミッドカレーを食べに行った。
道玄坂ヤマハの向かいのビルにあった。
代表曲『カレーライス』は、
下手なギターで歌ったもんさ。

10月26日

久しぶりの晴天。
そう言えば『巫女 自選少女ホラー集』皆川博子著を読んでいた。
未発表音源ならぬ単行本未収録短篇集。
いろんなフレーバーのこわいが詰まっている。
あとがきから引用2か所。

「このごろが、幻想小説も徐々に、ひろく受け入れられる
ようになってきたが、『巫女…』を書いたころは、
かなり哀しい状況だった」

 

 

「地下の流れは、地上の大河とならなくていい。
とだえることのない幻想の川が流れ続けてほしいと
願って、幻想文学の書き手の方たちと
その育て手(こんな言葉はないが)に、エールを贈る」

 

この本の発行が1994年。
幻想の川は枯れることなく満々と水をたたえている。
と、思う。

 

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つ、つまらん

亡くなった猫が夢に出てきた。
椅子の上で寝ている猫を
抱きあげようとしたらおしっこ。
それって最近だ。
もっと元気な頃に会いたかった。
懐中電灯を照らすと光に突進していくとか。

選挙と台風でなんだか興奮して眠れないんで
フィンテックとロボ・アドバイザーと
仮想通貨の資料を読みつつ記事を書く。
ラジオから流れる選挙の結果は、つ、つまらん。
プロ野球もヤクルトファンゆえ、つ、つまらん。

『犯罪心理捜査官セバスチャン 模倣犯
上巻から下巻へ。
サイコキラーコピーキャット

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にんげんだもの

行動経済学の逆襲

行動経済学の逆襲

行動経済学の逆襲』リチャード・セイラ―著を読む。
従来の経済学では

「人は自分にとって最適な行動を選択する」。


が大前提。ところが


「人は、経済モデルが想定する人間像から大きく
かけはなれたふるまいをする」

 

なぜ?行動経済学は、そこからスタートした。
著者はトヴェルスキーとカーネマンのフォロワー(おっかけ)として
いろいろな実験を通して行動経済学をつくりあげた1人。
トヴェルスキーとカーネマンが提唱した「プロスペクト理論」が
代表的なものだろう。
ぶっちゃけて言うと人は得するよりも損する方を重んじるってこと。

この本でも
保有効果」「フレーミング」「アノマリー」「ナッジ」などの
おなじみのタームは、字面が一見難しそうだが、
誰もが経験しがちなことがベースになっている。
この考え方をしることで
いろんなバイアスにとらわれなくなる。
嘘ツィートだの、フェイクニュースだの。

集客に悩んでいるスキー場の経営者から相談された著者は
行動経済学から基づいた策を提案する。
実施して結果として人気スキー場に復活したエピソードは
なるほどと思わせる。
某航空会社の早割などは、これを参考にしたのか。
他にも機会があれば行動経済学でいろいろな提案を試みるが、
なかなか受け入れてもらえない。

アベノミクスとて実態はないように思えるが、
日銀のゼロ金利法人税の引き下げとかあるが。
3.11や民主党政権で鬱になったんで
なんかよーわからないけど良くなるかもと
国民のなんかわからん期待値でアゲアゲになったんじゃないだろうか、

大学の先生も出世魚のように
学校を渡り歩いてえらくなっていくが、
著者のように経済学と心理学を掛け合わせた
新しい学問に取り組む者には
やはり風当たりが強いようで。
どっこい、作者は反論を検証の材料、
参考文献にしちゃうほど、ある意味、貪欲。
全篇にただようユーモアはお堅い学術書が苦手な人も大丈夫。
日経のWebサイトで著者が相田みつをファンだと知る。
まさか相田の格言を書いた独特の書と
行動経済学がつながっているとは。
にんげんだもの」間違える。
にんげんだもの」不合理。

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