『外套・鼻』ニコライ・ゴーゴリ著 吉川 宏人 訳を読む。
いわずと知れたゴーゴリの代表作。
これは講談社文芸文庫のカバーのコピー。
ジュンパ・ラヒリの『その名にちなんで』に、ちなんで読みたかった。
この小説の主人公の名前がゴーゴリ。
短編なんですぐに読める。古典落語のようだ。
新訳なんで訳者がともかくリズミカルな語りに配慮してあり、
なるほどとうなったっす。
宮藤官九郎、クドカンなら、『外套』を今風にどうアレンジ、脚色するか。
もとがいいと、どう脚色しても面白いものになる。
ならなきゃヘボだ。
こんな風に翻案したストーリーは、どうかな。
千葉県の町役場勤務の風采の上がらない高卒の若い男。
金をためて、東京・代官山で
憧れのリーバイスのヴィンテージジーンズを大枚はたいてゲット。
はかないで部屋で大切に飾って眺める日々。
ある日、年老いた母親が部屋を掃除しに来て
「ありゃ、コ汚いジーパンだこと。今日、ゴミの日だった。」
そう言って、リーバイスは捨てられる。
それを知って激怒した息子、母親の首を絞めて、
ゴミ集積場へ軽自動車を走らせるが、
信号無視でトラックと衝突、事故死。
それ以降リーバイスのヴィンテージジーンズをはいている若者が襲われる事件が
頻発するようになる。
とか、ね。
『鼻』はシュールネタ、『ヴィイ』はバトルホラー、『狂人日記』は切なくイタい話。
ネタバレさせたくないんで、ここまで。
笑えて悲しい話。1841年に完成した作品。
日本だとそろそろ幕末のあたりか。