『マーダーボット・ダイアリー』マーサ・ウェルズ著 中原尚哉屋訳を読了。
(上)(下)2巻だけど、話は各巻2話計4話の連作集。
ロボ・コップをまっ先にイメージしたが、もっと外見は人間らしい。
渡邊利道の解説によると
「クローン素材と非有機部品を複合した「構成機体」の人型「警備ユニット」の弊機」
しかも、見た目は女性のようだ。
弊機は、「所有主の保険会社」が搭載したチープなセキュリティシステムの誤作動(不具合)により、大量殺人を起こす。ゆえにマーダーボット、殺人ロボットと言われる。
その記憶は消去されている。
「統制モジュールをハックすること」で一応自由の身分で仕事をしている。
趣味は連続ドラマを見ること。暇な主婦みたいだ。
人型「警備ユニット」なら感情なんてないと思われるが、意外にもめっちゃある。
しかもかなり屈折している。人間嫌いはわからないでもないが、「人間型ボット」などにも。
負傷して壊れた部分を修復する際、より人に近づく作業は了承するが、
性器を設ける作業は拒否する。
性格はうだうだしているが、ピンチになるとマーダーボットの本能が目覚め、
機敏に、容赦なく攻撃してきた相手をやっつける。やる気があるのか、ないのか。
おなじみの撃たれたら自力で恢復するシーンなどアクションシーンが魅力。
ストーリーもテンポよく進む。SFが苦手の人もたぶん楽しく読めるはず。
ピノキオは人間の子どもになることを最終型にしていたが、弊機はのぞまない。
当該箇所引用
「「人間にはなりたくありません」
するとメンサ―博士は言いました。
「その態度は多くの人間に理解されないでしょうね。ボットや構成機体は人間そっくりの外観だから、いつかは人間になりたいはずだと思われている」
「そんなばかげた話は聞いたことがありません」」
万事がこの調子。
弊社の弊機って原文ではどう書いてあるのだろう。
それから「強化人間」というのも出て来る。これは義体なのかな。
弊機と『攻殻機動隊』の草薙素子とではどっちが強いだろう。プロレス好きだからすぐそう思ってしまう。