
サンゴとサンゴ礁のはなし―南の海のふしぎな生態系 (中公新書)
- 作者: 本川達雄
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/06
- メディア: 新書
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二階の踊り場の窓から下を見ると
咲いたばかりのクチナシに
ヒヨドリが止まっていた。
若冲の水墨画のようだった。
『サンゴとサンゴ礁のはなし』本川達雄著を読む。
サンゴ礁に興味があって
この夏休みはダイビングで見たい人なら、いいかも。
作者曰く
「地球上で一番多様な生物が住んでいるのが、
海ではサンゴ礁、陸では熱帯雨林なのだ」
ともに減少しつつあるが。
熱帯雨林は、地球の酸素発生装置でもあるのだが、
さらに、たとえばガンに有効な植物があるかもしれないことでも、
大切にしないといけないそうだ。
海は透明度が高いと見た目にはきれいだが、
魚など生物には、エサとなるプランクトンが少なく
住みにくいしそうだ。
サンゴ礁は、きれいな南の海にある。
なぜ。褐虫藻と共生しているから。
詳しく紹介されているが、よくできたシステムだ。
熱帯魚が色とりどりなのも、透明度が高いからだそうだ。
そこでは、自分の出自・所属を同族にわからせるサインみたいなもの。
ほら、沖縄あたりの成人式で
出身中学ごとに異なるド派手な羽織・袴で決めるが、
意味合いはほぼ同じだろう。
作者は研究で沖縄の小島の研究所にいたそうだが、
沖縄はサンゴ礁でできた島なので
漁港整備がしにくいし、
魚種も多彩だが少量しか水揚げできないので、
結果、地産地消になっていると。
それに対し、北の海は、水温が低いなどの条件で
ある程度魚種が淘汰されてしまった。
でも大量に捕獲できるので、流通ベースに合う。
「北の文化」と評しているが、
資本主義とかとほぼイコールだろう。
少数・多様性を重んじる「南の文化」、
サンゴ礁は、ある意味、ダイバーシティの理想郷なのだろう。
画像は、ハナヤサイサンゴ。
ネーミングがかわいい。
ファミレスのオリジナルサラダの名前にいいかも。