ゆるやかに

ぼくは上陸している (上): 進化をめぐる旅の始まりの終わり

ぼくは上陸している (上): 進化をめぐる旅の始まりの終わり

本業、ゆるやかに原稿書き出す。
本やネットでネタをある程度仕込んだり、
手書きの台割りやら下書きや図のラフがないと
PCに向かえないのは、長年の習性。
お試しで4ページほど。
ま、こんなものかと。


『ぼくは上陸している(上)(下)』スティーブン・J・グールドを読む。
久しぶり。作者の最後のサイエンスエッセイ集。
ちょっと前の『週刊文春』で福岡伸一ハカセが取り上げていた本。
福岡ハカセは、てっきりグールドよりもドーキンスかと思っていたら、
ドーキンス派だった。意外。
ひさしぶりに読んだドーキンスは、センス・オブ・ワンダー
とことん胆嚢じゃなかった堪能させてくれた。
あのナボコフが「蝶の分類の専門家」とは知らなんだ。
採集網で捕獲したのは、ロリータちゃんじゃなくて蝶だったとは。
他にも上下巻に渡って科学と文学を融合させ、
作者ならではのユーモアを効かせたエッセイはたまらない。
出身がご近所のカール・セーガン
彼は背が高く、視点も上を向いていたので天文学に向ったが、
グールドは平均身長よりやや低く視点が下で進化生物学に向った。
というあたり、ネタ的にもおもしろい。
タイトルの『ぼくは上陸している』に込められた意味を
勝手に解釈すると、まず作者の曽祖父がベルギーから「エリス島」、アメリカに
上陸した。次が、魚が海から陸に上がった。
そして作者が理系と文系をつないだ新たなジャンルに
作品を発表したという3つの意味があるんじゃないだろうか。


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