いつか読んだような

指の骨

指の骨

うちは、日曜日はカレーの日なので、
朝から仕込む。
COOKPADなどを参考にして。
ふむふむ、ささみは片栗粉をまぶすと、
もさもさ感がなくなるのか。
そうそう、厚揚げも、片栗粉や小麦粉の衣がないと、
炒め物にしたとき、物足りない味になる。

サーモスのポットにコーヒーを詰めて、
差し入れなどもろもろをデイパックに入れて
病院まで自転車を走らせる。
歩道がやけに混んでいる。
そうか、花見客か。
走りながら駒沢公園の桜を見る。
結構強風で満開でないのに、花びらが舞っている。
ち、散るなー。
いたいけな幼女を手籠めにする悪代官の如きものか。

『指の骨』高橋弘希著を読む。
なぜ、30代の作者が戦争ものを。誰もが思う、素朴な疑問。
戦争では、戦死よりも病死、飢死が主な死因だったそうだ。
主人公は無名の一兵士。
読んでいて戦場に引きずり込まれてしまったのだから、
筆力はあると思う。
かくも悲惨な戦争。わかっちゃいるけど、やめられない。

新しさは、さほどないが、完成度は高い。
というよりも死屍累々の既視感つーか、いつか読んだような。
似てはいないが、ふと、セリーヌの『夜の果てへの旅』を
思い浮かべた。
いつの間にタイトルに「へ」がついたんだ。

人気ブログランキング