われわれはなぜ映画館にいるのか

金井美恵子エッセイ・コレクション4
映画、柔らかい肌。映画にさわる』を土日読んでいた。
作者は映画好きの母親に連れられ、映画館で映画を見ていた。
テレビがなかった頃の話。
やはりわが家にもテレビがなかった頃は、
ぼくも親と映画館に行っていたそうだ。覚えていないが。
会津若松にいた頃だ。
ラブシーンになると「アベック、アベック」とわめいていたとか。

かつて作者の映画について書かれたエッセイで市川雷蔵の魅力を教えてもらった。
ビデオなんてまだまだ普及していなかった学生時代は、
名画座で2本立て、3本立てを見た。
金はないが、時間はたっぷりあった。
池袋文芸坐ゴダール特集、トリュフォー特集、黒澤明特集なんて
懐かしい。
日活ロマンポルノだと田中登神代辰巳
作者がお気に入りのダニエル・シュミットは、
今は亡きシネヴィヴァン六本木に見に行った。

われわれはなぜ映画館にいるのか。
今は、いないけど。

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